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2014年7月10日 (木)

『金融緩和の罠』(藻谷浩介・河野龍太郎・小野善康著、萱野稔人編)金融緩和より雇用を増やすことこそがデフレ脱却の道。

アベノミクスでにわかに注目を浴びる金融緩和政策。「日銀が大量にマネーを供給すれば、景気が回復する」。この本では、それに異を唱えている。

市場にマネーを大量に供給すれば、それが消費に回り、景気が回復する、というのはあまりに短絡的な考え方だ。私たちは将来に不安を持ち続ける限り、お金をもらってもそれを消費に回さず、貯蓄に回す。そうして、お金を好きなときに、もしくはいざというときに、使えるように備えておく。お金を持っておくことは、将来への安心につながるからだ。「人はお金そものもがほしい」。お金を持っていること

そう考えていくと、金融緩和政策で景気が良くなるとは思えない。まずは、将来に対する不安を取り除く、ということが景気回復策に他ならない。つまり、若者には雇用を増やし、お年寄りには介護や医療や娯楽のサービスを提供することだ。お年寄りには介護や医療や娯楽のサービスを提供することは、若者の雇用を増やす効果もある。若者の失業や、将来失業するかもしれないという不安が取り除かれれば、そのとき、やっとお金は貯蓄から消費に回る。

金融緩和より雇用を増やすことこそがデフレ脱却の道、ということだ。


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