『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』(夏井睦著)人類にとっての禁断の実は林檎ではなく小麦だった?
著者は自ら糖質制限を試し、効果や危険のなさを確かめ、その上で、糖質制限のメリットについて説く。
さらに、栄養素としての糖質の性質や、カロリーという概念や栄養学のいいかげんさ、そしてブドウ糖からみえてくる生命の進化などについて独自の考察を進めて行く。
やや多風呂敷を広げ過ぎていて、糖質制限についてより知りたい読者には肩すかしを食らう感がある。
ただ、著者の糖質からみた農耕の起源についての考察が面白い。たまたま小麦が生い茂る地に進出した人類が小麦の「甘さ」という誘惑に負けて小麦の栽培を始める。まさに、人類にとっての禁断の実は林檎ではなく、小麦だったのである。そして、小麦という禁断の実を食した人類は、穀物により滅亡への道をたどりつつある、と著者は言おうとしている。
とはいえ、人類が禁断の実を手にしたからには、それと上手くつきあっていかなくてはならないのだろう。
私も試しに糖質制限というか、3食のうち2食を主食抜きを実践している。さて、その効果は・・・まだ現れておりません。
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