【安吾を読む】『不良少年とキリスト』「人間は、決して、勝ちません。ただ、負けないのだ。」
太宰治の死について安吾が書いたもの。安吾は、最初は歯痛の話から入り、自分の内面をひた隠すように静かに太宰について語る。しかし、溢れだす想いは最後の最後で爆発する。
「ほんとに惚れて、死ぬなんて、ナンセンスさ。惚れたら、生きることです。」
「死ぬ、とか、自殺、とか、くだらぬことだ。負けたから、死ぬのである。」
「戦いぬく、言うは易く、疲れるね。然し、度胸は、きめている。是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。そして、戦うよ。決して、負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません。ただ、負けないのだ。」
私はこの作品から多くのことを学んだ。「生きぬけ!」 太宰を失った安吾が絞り出した言葉を私は胸に、生きようと決意した。
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