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2014年5月15日 (木)

『原発ゼロで日本経済は再生する』(吉原毅著)勇気をもつことは自信と誇りをもたらす。それは夢や笑顔に繋がっていく。

著者の吉原毅さんは、「原発に頼らない安心できる社会へ」を標榜しそれを実践している城南信用金庫の理事長である。政府や政財界は「原発を再稼働しなければ日本はたちゆかなくなる」という脅しを繰り返し、原発を再稼働させることにやっきになっているが、吉原毅さんと城南信用金庫はそれに異議を唱える。

この本は経済学や会計学の面からも原発がいかに不経済で採算が取れないものであるかを説く。

そして、この本の読ませどころは、城南信用金庫、ひいては信用金庫の矜持である。私は信用金庫には地域に密着した小さな銀行だと思っていた。しかし誤解であった。まず、信用金庫は銀行のような株式会社ではない。株式会社は株主に対して責任を負い株主を第1に行動するが、株式会社ではない信用金庫は、地域の人たちの幸せのために尽くすことを第1とする。原発を止めることは「地域の人たちの幸せ」のため。だから、吉原さんや城南信用金庫はそのように行動する。

それは勇気のいることである。しかし、挫けずに、自分を犠牲にしてもひとのために戦うことは、自信と誇りをもたらす。吉原さんや城南信用金庫は勇気を持つことにより、信用金庫本来の姿を、自分たちの仕事に自信と誇りを取り戻した。それは夢や笑顔につながっていく。

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