映画『アデル、ブルーは熱い色』一途な愛はその対象を失った時、「未練」に変わっていく。
映画『アデル、ブルーは熱い色』La vie d'Adele
監督:アブデラティフ・ケシシュ
2013年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。原題を直訳すると、「アデルの人生」。
上級生のトマとのデートへ向かう途中、信号を待っていたアデル(アデル・エグザルコプロス)は道の向こうのブルーの髪の女に目を奪われる。それがエマ(レア・セドゥー)との出会いだった。トマとつきあってみるもイマイチで、エマのことが忘れなれないアデルはエマと再会する。エマとキスを交わし、そして二人は熱く愛を交わし合う。
「愛は性の垣根を超える」。たまたま好きになったひとが同性で、アデルはその愛に殉じていく。彼女の愛は一途にエマに注がれる。
しかし、徐々に生まれるエマとのすれ違い、そして心の隙間。そして、同性どうしのラブストリーにありがちな理由によって、ふたりは別れることになる。
それでも、アデルのエマへの愛は一途である。しかし、対象を失った時、もはや「未練」というものに変貌しているにも関わらず。
ラストもフランス映画っぽい。何も起こらないし、何がが起こることを期待させるものでもない。
久々に濃厚なラブストリーを観た。同性同士の濃厚なラブシーンがあるので、そういうのが苦手なひとには、また3時間映画館の硬い椅子に座っているのが苦痛なひとには、この映画はお薦めしない。そうでなければ、お薦めする。
« SweetPopSoda(2014/04/26 恵比寿JAN KEN PON)あぶなすぎる土曜日 | トップページ | 『彼女のため生まれた』(浦賀和宏著)このタイトルの彼女とは誰なのか、それを想像しながら読み進めるのが面白い。 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画『アデル、ブルーは熱い色』一途な愛はその対象を失った時、「未練」に変わっていく。(2014.04.30)
- 映画『LIFE!』「世界を見よう」。それを実践したとき、かけがいのないものを得る。(2014.04.24)
- 映画『アナと雪の女王』オリジナル版を観たら、日本語吹き替え版も観たくなる。(2014.04.23)
- 映画『麦子さんと』悲しみや喪失感を取り戻すことでひとは強くなる。(2014.01.06)
- 映画『ゼロ・グラビティ』「ゼロ・グラビティ」(無重力)というタイトルだが、本当は「重力」との戦いである。(2014.01.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント