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2014年3月 1日 (土)

『邪悪なものの鎮め方』(内田樹著)邪悪なものと遭遇したときに適切に振る舞うための心構え。

 邪悪なものとはそれと遭遇した時に「どうしていいかわからないけど、何とかしないとたいへんなことになるような」もののこと。なので、内田さんがこの本で言っているのは、そういう状況のときにどうしたら適切に振る舞うことができるのか、ということ。そして、内田さんが身に付けた答えは「礼儀正しさ」と「身体感度の高さ」と「オープンマインド」。

 内田さんの本は、書いてあることがブレていないので、だから適当にぱらっとページをめくっても、味わいのある言葉と出会う。例えば、今ぱらっとめくってみると、

 「昔の男たちは『お稽古ごと』をよくした。」とある。なぜかというと、

 「それは『本務』ですぐれたパフォーマンスを上げるためには、『本務でないところで、失敗を重ね、叱責され、自分の未熟を骨身にしみるまで味わう経験』を積むことがきわめて有用だということが知られていたからである。」とある。

 お稽古ごとは自分のキャリアアップのためにするのではない。そういう費用対効果が見込めるようなお稽古ごとというのは効率的かもしれないが有用ではない、ということだ。効率主義者は失敗を重ねるなんてことを好まないだろうが、それこそがお稽古ごとの最大の効用だと内田さんは説く。


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