『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』光溢れる国のドン・キホーテ。
『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』
期間:2014年3月3日(月)~3月16日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
演出:野村萬斎
出演:野村萬斎、馬渕英俚可、木村了、深谷美歩/谷川昭一朗、村木仁、中村まこと/大駱駝艦
『ドン・キホーテ』を題材に、川村毅が新作を書き下ろし、野村萬斎がドン・キホーテを演じる。
↓行ってきました。
冒頭、風車に挑んだドン・キホーテは、何故か現代日本の歓楽街に迷い込む。現代の日本を風刺するような場面から、さらに「この世の終わり」という、バリケードによって封鎖された、まさに「ブロックされている」街に、ドン・キホーテの旅は続く。
かってこの国は神様で溢れていた。どこかしこに八百万の神がいた。しかし、この国は、神にすら見捨てられたかのように見える。そして、この国は光で溢れているように見える。しかし、その実は、この国は闇に溢れている。
「輝ける闇」。この相反する言葉を心に宿すのが萬斎ドン・キホーテ。神はいない。ただ、ドン・キホーテのように巨大なものに無謀な戦いを挑み続ける者の心の中にのみ、神は、いる。
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