『ソニーをダメにした「普通」という病』(横田宏信著)「ソニー」というちょっと変わった会社の姿を通じて、「人を活かす」ことの重要さを訴えている。
Kindle本。amazonさんがやたらとオススメしてくるので、読んでみた。「ソニー」というちょっと変わった会社の姿を通じて、「人を活かす」ことの重要さを訴えているように読める。
著者はなかなか耳の痛いことを言っている。
「会議なんてほとんどないブルーカラーの生産性は、今なお世界のトップレベルにあることを考えれば、会議に頻繁に参加するホワイトカラーが、日本の生産性の足を引っ張っていることになる。」
がむしゃらに働いているように思える日本人の生産性は低いと言われるが、まさに無駄な会議が生産性を下げている。これは現場にいる私の実感でもある。
「日本のIT企業の多くは、自社のIT商品の『機能価値』が、顧客企業の経営において、どのような『使用価値』をどれだけ生み出すかに、おおよそ無関心だ。」
IT企業に限らず、日本のものづくりは「機能価値」を追求していて、それがお客様にどのように使われるか、をあまり考えていない。「使用価値」というものに頭を切り替えてものづくりをしていけば、まだまだメイド・イン・ジャパンは優位を保っていけるのではないか。機能を絞って使いやすくすることも戦略だ。
「夢を語らぬ経営者は怠慢である。夢を語れぬ経営者は、無能である。」
どこかのアホな経営者が会社の業績が悪いのは社員の働きが悪いからだ、と言ったそうだが、こういうアホな経営者が会社のかじ取りをできるとは思えない。大企業の経営者と言えど、怠慢で無能な人物が多すぎる。それは政治の世界にも当てはまる。
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