【安吾を読む】『人生三つの愉しみ』「人間の愉しみは禁止せずに、その害を取り除くべく相共に努力すべきものではなかろうか。」
「人の愉しみは銘々好き好きのものであるから、各人の好むにまかせて、あげつらうべきものではないし、ヤキモチをやくべきものではなかろう。人間は働く機械ではなく、その休養をとり、愉しむのが当然だ。人間の愉しみは禁止せずに、その害を取り除くべく相共に努力すべきものではなかろうか。」
スポーツをして体を鍛えているから健全で、お酒を飲んだくれているから不健全、という単純な話ではない。いずれにしろ、好きなものを好きと言えて、好きなものをいつまでも続けられる、それが人生にとってもっとも大切なことなのかもしれない。そして、それを害するものに対してはお互いに取り除くべく努力すれば、より多くのひとが好きなものをずっと好きで居続けられる。
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