『数字で読む「アベノミクスの空騒ぎ」―新潮45eBooklet』(藻谷浩介著)アベノミクスの薔薇色の明日は数字によって否定される。
Kindle本。
安倍政権の経済政策のおかけで、株価は上昇し、円安が進み輸出が増え、やがて景気も良くなる。景気が良くなれば雇用も増える。そんな薔薇色の明日が来るかのように安倍政権の経済政策が謳われているが、本当にそうなのか?著者はそれらの巷説を「数字」によって否定していく。
株価が上がって私たちの生活は良くなったのか? 円安が進んで私たちの生活は良くなったのか? 実感が伴わないものは数字によっても否定される。株価が上がって儲かったのは外資だけだし、円安で儲かるのは石油等の資源を持つ外国である。日本人の生活が豊かになったとも、日本の富が増えたとも言い難い。外国人や外国だけを儲けさせて、それを国益と呼ぶのだろうか。
« 『「遺体」それからの物語―新潮45eBooklet』(石井光太著)私たちに被災したひとたちのことを忘れさせないためにも、このような仕事が必要である。 | トップページ | 【安吾を読む】『人生三つの愉しみ』「人間の愉しみは禁止せずに、その害を取り除くべく相共に努力すべきものではなかろうか。」 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【安吾を読む】『木枯の酒倉から 聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話』「俺の行く道はいつも茨だ。茨だけれど愉快なんだ。」(2014.07.11)
- 『金融緩和の罠』(藻谷浩介・河野龍太郎・小野善康著、萱野稔人編)金融緩和より雇用を増やすことこそがデフレ脱却の道。(2014.07.10)
- 『ひとを“嫌う”ということ』(中島義道著)ひとを「嫌う」ということを自分の人生を豊かにする素材として活用すべき。(2014.07.09)
- 【安吾を読む】『街はふるさと』「ウガイをしたり、手を洗ったりして、忘れられないようなことは、私たちの生活にはないのです。」(2014.07.08)
- 『天災と日本人 寺田寅彦随筆選』(寺田寅彦著,山折哲雄編)地震や津波といった天災からこの国を守ることこそが「国防」である。(2014.07.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント