『原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて』(宮台真司,飯田哲也著)社会はオカシナ方向には変わりやすいが、正しい方向には変わり難い。
宮台真司、飯田哲也という同世代どうしで語り合う原発、そしてエネルギー問題。
「日本は社会が変わらないことが意識では自明になっている。しかし、現実は激しく変わっていくわけです。それなのに意識の上では変わらないので、現実を変えていくためのルールであるとか指針、原則に無自覚な社会になっている。」
あんな大事故があり、大地や海が汚染されて多くのひとたちが自分の故郷に戻れないという現実を私たちは知っている。しかし、今でも原子力発電所はなくならない。アベさんの「アンダー・コントロール」なんて言葉をこれっぽっちも信じていないくせに、そういう現実から目をそむけ続けている。
イシバさんは整然とデモを行う行為をテロだと呼び、その一方で強行採決という民主主義に対するテロを繰りかえしている。現実を変えていくためのルールは無視である。社会はオカシナ方向には変わりやすいが、正しい方向には変わり難い。
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