『特攻の島 6』(佐藤秀峰作)日本は戦争をしていたのだ。最初から負けることがわかりきっていた戦争を。
水中特攻兵器「回天」での作戦に臨んだ渡辺は「回天」の故障により出撃できず帰還。目標を失い、心定まらない渡辺に、軍上層部の人間から心無い言葉が…。
この巻で描かれるのは、沖縄戦、そしてB29の爆撃により焦土と化していく日本。かって私の住んでいた町が爆撃される様も描かれる。私が子どもの頃には、まだ防空壕の跡も残っていたし、不発弾が埋まっているかもしれないから立ち入り禁止という場所もあった。確かに、日本は戦争をしていたのだ。最初から負けることがわかりきっていた戦争を。
渡辺は、兵士として守るべきものを守るために戦うと心に決めて立ち直ろうとするが、その矢先、空爆により守るべき家族を失う。そんな渡辺に待っていたものは、再び「回天」で出撃せよ、との命令だった。負けることがわかりきっている戦争。それでも兵士たちは出撃していく。
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