『ブラックジャックによろしく 12』(佐藤秀峰作)何の根拠もない報道が精神病患者たちの社会復帰を妨げる原因になっていく。
小学校に乱入し、次々と児童を殺傷した男は、精神病とみなされていたが、斉藤の指導医・伊勢谷は報道から彼が詐病しているのではないかと疑い、それを新聞記者・門脇に伝える。「精神障害者を装えば無罪になると思ったんでしょう」。
「精神病だから凶悪な事件を起こす」という誤った流れはひとりの医師、ひとりの新聞記者の力で止められるものではない。
その一方で、そういう報道を見て斉藤の担当する患者たちは深く傷つき、世間は彼らに不信の目を向け、冷たい態度を取る。何の根拠もない報道が精神病患者たちの社会復帰を妨げる原因にもなっていく。
医師は患者を退院させたがり、世間はそれを受け容れることを拒否する。患者をずっと病院に閉じ込めておけ、と言わんばかりに。
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