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2013年12月 5日 (木)

『極北ラプソディ』(海堂尊著)様々な制約や障壁に立ち向かっていく医師たちの姿は読むものの心を鷲づかみにする。

財政破綻した極北市の市民病院の院長に就任した世良は、地域医療の再建を図る。人員削減や救急診療の委託を断行し、非常勤医の今中に“ジェネラル”速水が仕切る雪見市の救命救急センターへの出向を指示する。

「バチスタ」シリーズと違い、この極北市(モデルは夕張市と思われる)を舞台にしたシリーズは、ミステリィ的な要素は薄い。むしろ、医療現場の在り様、在るべき姿に向かって奔走するひとたちの姿を描いている。自分の仕事をキッチリとこなしながら、様々な制約や障壁に立ち向かっていく医師たちの姿は読むものの心を鷲づかみにする。

この物語のもう1つの主役は「ドクターヘリ」。ドクターヘリの運用も試行錯誤しているのだろうが、様々な制約の中でギリギリの判断をしながら運用されている様が描かれている。俺のところに患者を連れてこい、そうすればひとりでも多くのひとを救える。そう願いながらドクターヘリを飛ばす、”ジェネラル”。その姿に、どうしてもテレビドラマで速水役を演じた西島秀俊を思い浮かべてしまう。


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