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2013年12月の27件の記事

2013年12月31日 (火)

2013年の音楽: ピンクのカシミヤは白鳥を女神に変える。

2013年を振り返り。今回は音楽。「CHANCE」以外で3本選びました。


Pink Cashmere Night ~鈴木結女 St. Valentine's Acoustic Live~』(2013/02/17 目黒Blues Alley Japan)

私にとっては、22年ぶりの鈴木結女。ちょっと癖のある歌い方、骨太の声、あの頃のままで、ずっと会えなかった同級生に久々に会ったような感覚でした。一気に時間が巻戻ったような。ニューアルバム「ZERO」の歌や活動停止前の歌を中心に歌うのかと思いきや、新曲だらけの構成に戸惑いましたが、会場にいたひとたちに新しい歌をいちはやく届けたい、そんな想いを感じました。


Athena Music Festival 2013』(2013/10/20 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)

Athena、Startlights、ヨシザワコウタさんなど、アテナミュージックに所属するミュージシャンが一堂に会したコンサート。雨男(Athenaの長田雄大さん)のせいでトンデモナイ天気でしたが、会場は熱気にあふれていました。私的に盛り上がったのが、「余興」と紹介されたSpeedの「All My True Love」。歌ったのは、NOYさん、中島理恵さん、穴澤千代子さんそして長田雄大さん。アテナミュージック所属歌手のコラボですが、私的にはCHANCE×Athenaのコラボ。また観たいなあ。

↓アテナミュージック所属のNOY(浅野ヨンエ)さんがコーラスとして参加。


白鳥吏南初ワンマンライブ 白鳥音宴~壱~』(2013/04/28 SHIBUYA LOOP -Annex-)

ガールス・ボーカルグループCHIX CHICKSのリーダーだった白鳥吏南さんの初ワンマンライブ。白鳥さんはCHIX CHICKS解散後、ソロ歌手として再出発。作詞も自分でやるようになり、オリジナル曲もどんどん増やして、タイバンライブやいろいろなイベントで歌ってきてファンを増やしています。これからも注目していきたい。

↓Amazonで売ってます。


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2013年は「CHANCE」ばかりを追いかけすぎたような気がします。2014年は「CHANCE」以外のものもいっぱい観みるようにしたい。そうすれば「CHANCE」も新たな目で観ることができるかもしれない。

2013年12月30日 (月)

2013年の演劇: 作品は趣味の部屋の1階から5階まで行ったり来たりする。

2013年を振り返り。今回は演劇。赤坂に通う回数が増えても、観る回数が減らなかったのが演劇。観たい役者が出演したり気になる演出家の舞台はやっぱり観たいもの。


OPUS/作品』(2013/9/10~9/29 新国立劇場小劇場)

舞台を中央に置き、四方をお客さんが取り囲む。何の装飾もなく、何の隠しごともなく、カルテットの4人+1人の姿と心理までもが観客の前に晒される。役者にとっては過酷な舞台。同じ音符の並んだ楽譜を演奏して、2度と同じ演奏ができないように、その場面、場面で人と人との関係は移り変わっていく。終演後、舞台に散らばった、彼らが奏でた音楽の残骸が、その残酷さを物語っていた。


趣味の部屋』(2013/3/22~4/14 PARCO劇場)

テレビドラマ『リーガルハイ』等で知られる気鋭の脚本家・古沢良太の脚本を、映画界から演劇界に進出している行定勲さんが演出。ジグゾーパズルの最後のワンピースをなくしてしまった、いや、最後のワンピースをなくしたふりをし続ける男たちの「趣味の部屋」。虚と実、実と虚が入り混じる展開が面白かった。ガンダム好きにもたまらない演出もあり。


電動夏子安置システム・シアターグリーン3劇場連動企画』(2013/10/23~10/27 シアターグリーン)

劇団「電動夏子安置システム」が、シアターグリーンの3劇場を貸し切って、その3劇場で同時進行する芝居を。同じ建屋内の3劇場を役者たちが上に下に。その企画自体が面白かった。3公演すべて観ると、あの場面がこの場面に繋がったのかわかってより楽しめた。

この舞台には、中村JAPAN/CHANCEの羽賀佳代さんも出演していました。今年は、羽賀佳代さんだけでなく、文夏さん、矢原里夏さん、水野江莉花さん、鯵坂万智子さんといったCHANCEメンバー(元も含む)が中村JAPAN以外で芝居をする姿を観れたのも楽しかった。


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2013年12月29日 (日)

2013年の映画: テッドは風立ちぬをアンコールする。

2013年を振り返り。今回は映画。赤坂に通いすぎて、一番犠牲になったのが、実は「映画」。2013年は映画を観る回数が激減しました。その中で選んだ3本。


風立ちぬ』(監督:宮崎駿)

宮崎駿監督のもしかしたら最後の長編アニメ作品になるかもしれない作品。この映画のテーマは「夢」なのだと思う。そして、夢を持ち夢を叶えるということは、実は様々な犠牲の上に成り立っている、ということを語っている。
それでもなお、夢を持ち夢を叶えるということは、その人生を賭けるに足ることである。例えその夢の時間が短くても、その夢を叶えようとする時間は人生の花である。その夢を叶えようとする時間は儚い。しかし、それ故に美しい。


アンコール!!』(監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ)

ひとは年金をもらう年齢になってもなお成長していける、という物語であり、家族や隣近所のひとびととの関係も修復していける、という物語であり、大切なものを失った喪失感を埋めてくれるものは音楽であり家族であり仲間である、という物語。マリオンが「True Colors」(Cyndi Lauper)を歌う場面で思わず涙が出た。テレンス・スタンプが、カッコ良い。


テッド』(監督:セス・マクファーレン)

8歳の誕生日プレゼントにもらった熊のぬいぐるみが翌朝に喋り出し、それからジョンとデッドは友達になった。この映画は、それから27年後、自堕落な大人になった男と熊のぬいぐるみの話である。アメリカ人じゃないと伝わらないネタもあるのだろうけど、日本人に伝わりやすくする工夫をしている和訳も秀逸。


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2013年12月28日 (土)

【安吾を読む】『心霊殺人事件』心霊術と奇術をテーマに、殺人のトリックが組み立てられる。

高利貸しの仙七は、戦争で死んだとされる長男の霊を呼びだそうと心霊術師を招いた。仙七が何かを企んでいることを察した彼の娘は心霊術のからくりを暴こうとひそかに奇術師に依頼。そして、娘たちや奇術師の目の前に、心霊術の最中に、その仙七が殺される。

しかし、この状況で殺すことができる人物は誰か、を考えるとすぐに答えがわかってしまうんですけど。

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2013年12月27日 (金)

【安吾を読む】『明治開化 安吾捕物 その四 ああ無情』難事件という割には、案外簡単にトリックがわかってしまいました。

隠居し悠々自適に暮らしていた幕末の英雄・勝海舟、弟子の虎之介、紳士探偵・新十郎が推理するシリーズの第4話。ある紳士から中身を知らされずに死体を運び捕まってしまった車夫の事件の秘密に挑む。

難事件という割には、案外簡単にトリックがわかってしまいました。

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2013年12月26日 (木)

『東京ドリーム』(Cocco)「言いたいことは、残したいことは、伝えたいことは、たった一言なんだ。『愛してる』」

「沖縄出身、東京在住」の歌手、Coccoさんのエッセィ集。小さな島国から東京というちょっと大きな島国に移り住んだ彼女。しかし、全国の天気を「やっと、最初に東京を見るようになった。次に、沖縄を見る」ようになった彼女にとって、東京も居心地が悪い場所ではない。

乗った飛行機が乱気流に見舞われて「堕ちる」と思ったとき、人生最後にどんなメッセージを残すか。

「言いたいことは、残したいことは、伝えたいことは、たった一言なんだ。
『愛してる』
それがわかっただけで今日まで生きてよかった。」(『メッセージ』より)

人生の最後にそんな言葉を残せたら、どんなに幸せなのだろう。

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2013年12月25日 (水)

『カンブリア宮殿 村上龍の質問術』(村上龍著)村上龍の想定する文脈の中に収まらない経営者たち。

最近はすっかり作家というよりこの「カンブリア宮殿」のインタビュアーとして認知されている村上龍。その村上龍はこれまで300人以上の経営者にインタビューをし、経営者たちの人間的魅力や成功の秘訣を聞き出してきた。

私たちが受けてきた教育は、答えを出すことだけを求められてきて、質問すること、問いを立てることを、その重要性を学んでこなかった、と村上龍は言う。この指摘は正しい。質問しようとすると、口答えするなとか、黙って俺の話を聞け、だのと言われたりもして。そうやって質問を封じられてきた。

村上龍は、対談相手や企業の歴史を「文脈」として把握し、空間や時間の変化・流れの中で捉えようとする。ベストセラーになった阿川佐和子さんの『聞く力』では、阿川さんは相手に気持ち良く喋ってもらうことを第一に考えていたが、村上龍の質問術は、自分の訊きたいことを訊く、ということである。それは自分の想定する文脈の中に相手を押し込める、という作業なのかも知れない。

しかし、手ごわい相手もいる。村上龍の想定する文脈の中に収まらない経営者たちだ。そして、そういう経営者に出会えたとき、村上龍は嬉しそうだ。そして、そういうものを「他者と出会う」、とブンガクでは言う。

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2013年12月24日 (火)

『ムダヅモ無き改革 11』(大和田秀樹作)尖閣諸島を巡り、クレイジーな戦いが繰り広げられる。

復活した毛沢東率いる共産主義者たちと尖閣諸島の領有を巡って麻雀で対決する麻雀アクション漫画の第11巻。真田率いる日本の自衛隊が復活した毛沢東率いるネオ中華ソビエト共和国と、尖閣諸島の領有を巡って麻雀バトルを繰り広げるお馬鹿マンガの第11巻。

緒戦、空挺部隊の奥村がペルーの狂犬・グスマンの最後の悪あがきを撃退する。第二戦は、分析官の乾が歩くカンボジアの悪夢ポル・ポトと対決。近代的なものすべてを忌み嫌うポル・ポトに、最先端の科学の力をもって乾が立ち向かう。粘菌を使いイカサマを繰り出すポル・ポトに、自らの体を改造した乾が立ち向かう。まさに、クレイジーな戦いが繰り広げられる。


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2013年12月22日 (日)

『Life goes on』(DOROTHY LITTLE HAPPY)キャッチーな曲が多いがもう少しパンチがほしい、かな?

仙台出身のアイドルグループ、ドロシーリトルハッピー(DLH)の1stアルバム。中古CD屋でアーティスト「と」の欄を物色していて、お目当てのものは見つからず、その代わりにこれを見つけてしまったので購入。DLHは某歌手さん目当てで行ったタイバンライブで初めて聴いて、それからちょこちょことチェックしていた。アイドル好きで元・東京パフォーマンスドールの徳永愛さんも好きらしい。

1. Life goes on
2. nerve
3. HAPPY DAYS!
4. 未来へ
5. ナミダよりもずっと速く
6. 諦めないで
7. 風よはやく
8. 飛び出せ!サマータイム
9. 永遠になれ
10. Dear My Friend
11. My Darling
12. 流れゆく日々
13. never stop again!!
14. 14回目のありがとう


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2013年12月21日 (土)

『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる』(佐々木俊尚著) 「場」を運営している企業体こそが、権力の源泉となる。

情報テクノロジーの革新は、これまで自明のものとされてきた社会のあり方、国家のあり方を変えていく。むしろ、今自明のものとされる国民国家こそ、その成り立ちから特殊なものだと、著者の佐々木さんは言う。その上で、「権力は、国民を法律と道徳でしばる国家から、人々の行動の土台となる<場>へと移っていく」と言う。

今、起きていることは、「グローバル化」。無国籍というより国籍というものに囚われない巨大企業に富が集中し、それが国民国家という枠そのものを形骸化させている。そして、こういう国民国家に代わるものとして、グーグルやらフェイスブックやらといった「<場>を運営している企業体こそが、権力の源泉となる」という事態が起きている。

そういう世界の中で、私たちはどう生きていけばいいのか。著者は、このゲームから逃れられないのだから「このゲームに乗れ」と言っている。このゲームに乗るものは、超国籍企業に利用されることになるが、それならばそれを利用しろ、と言う。つまりは共犯者になることで、これからの世界を生き抜け、といっている。もっともな意見のようにも思える。しかし、私は、このゲームに乗らなくても生きる術があるのではないか、と考えてしまう。

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2013年12月20日 (金)

『花咲小路四丁目の聖人』(小路幸也著)聖人たちはあっと驚く方法で、寂れつつある商店街を守る。

舞台は、地方の小さな商店街「花咲小路商店街」。このさびれつつある商店街に住む亜弥の父親は日本に帰化したイギリス人だが、その実の姿は「最後の泥棒紳士”セイント”」。その商店街で密かに進行している商店街乗っ取り計画。それに密かに立ち向かう聖人たち。

聖人たちはあっと驚く方法で、寂れつつある商店街を守る。それはどうやってなのかは、読んでみてのお楽しみ。


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2013年12月19日 (木)

『歌うクジラ(下)』(村上龍著)「生きる上で意味を持つのは、他者との出会いだけだ。」

ネタバレですが。

「生きる上で意味を持つのは、他者との出会いだけだ。そして、移動しなければ出会いはない。移動が、すべてを生み出すのだ。」

というラストの言葉のために、この壮大な読むことを拒絶した物語がある。


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2013年12月18日 (水)

『歌うクジラ(上)』(村上龍著)読むことを拒絶する物語はただただ苦痛でしかない。

不老不死を手に入れた近未来の日本を描く。その最下層に住むアキラの旅を通じて描かれるその社会は、階級別にすみ分けされた、退廃した社会だった。

アキラはその度の途中で、日本語の助詞をわざとデタラメに使う集団に出会う。村上龍は彼らの言葉のとおりに、デタラメな助詞のまま文章を書く。とても読みづらい。村上龍はわざと読みづらくしている。それは読むことを拒絶する言葉であり、物語である。そして、読むことを拒絶する物語に、私は価値を見出すことはできない。


いつから村上龍に小説が読むからを苦痛でしてしまったもだろう。(←こんな感じの文章が延々に続くのですよ。この上巻はただただ読むのが苦痛だった。)

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2013年12月17日 (火)

『暗殺教室 6』(松井優征作)自分の目的のために他人を利用しようとすると思わぬしっぺ返しを食らう。

殺センセーは水に弱い? 殺センセーがE組のために作ったプールで、殺センセー暗殺を目論むE組の生徒たち。そして、E組の生徒を利用して殺センセー暗殺を目論むシロとイトナ君。しかし、彼らはE組の生徒たちを利用したことによって彼らの反感を買い、E組の生徒たちによって撃退させられる。自分の目的のために他人を利用しようとすると思わぬしっぺ返しを食らう、というよい教訓だろう。

そして、夏が終わり、E組は期末テストに。まさに自らの身を削ってE組の成績をアップさせようとする殺センセー。がぜんヤル気になったE組の前に、学園長親子が立ちはだかる。次の巻も楽しみになってきた。 


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2013年12月14日 (土)

『LOVE☆LIVE☆LIFE』(徳永愛)マイベスト3は、「オレンジプラネット」「ダイエットウーマン」「LOVE is the BEAT」。

来年2014年の3月21日にCDレビュー15周年を迎える徳永愛さんのソロ歌手としてのベストアルバム。
徳永愛さんは東京パフォーマンスドール(TPD)の出身。今は、そのTPDを手掛けた中村龍史さんがプロデュースするCHANCEのアイドル的グループCHANDOLのメンバーとして活動していますが、来年2014年の3月21日にCDレビュー15周年に向けて、ソロ歌手として毎月1回ステージに立っています。
詳しくは、徳永愛さんのブログ「とくながあい-Heartful☆Community-」でご確認を。

1.Heartful Candy
2.LOVE is the BEAT
3.U & I
4.ダイエットウーマン
5.プラシーボ
6.Rose Master
7.Princess Flower
8.Pa・Pa・Do・Wa
9.Burst
10.Carry out revolution
11.そんなあなたが“好き"なんです
12.オレンジプラネット
13.Memory&Happiness
14.Scarlet
15.Sea Side Girl~acoustic version~
16.LOVE☆LIVE☆LIFE

マイベスト3は、「オレンジプラネット」「ダイエットウーマン」「LOVE is the BEAT」。

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2013年12月13日 (金)

『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』(藻谷浩介,NHK広島取材班著)お金がなくても、お金を介さずとも、ライフラインを確保して生きるやりかたもある。

「グローバル資本主義」「マネー資本主義」そういう「マッチョな」資本主義に世界は飲み込まれている。しかし、一方で、リーマンショックで顕著になったように、そんな「マッチョな」資本主義に綻びが出始めている。

NHK広島の取材班が取材を重ねたのは中国山地の山間の町だ。そこでは、外からエネルギーを買うのではなく、もともとの産業であった製材業の廃材を使うことでエネルギーを作りだす。そして外から買っていた食べ物を自分たちで作りだす。つまり、外にお金を出すことなく、中だけで経済を循環させている。「グローバル化」により、エネルギーや食べ物を外から買うことが当たり前だと私たちは思っているが、そういう当たり前でないことを当たり前でないことをやっている共同体がこの日本に生まれようとしている。

さらに私たちは、3.11を経て、私たちのライフラインがお金で買えないこともわかってしまった。最後の最後、私たちのライフラインをつなぎとめるのはお金ではないことがわかってしまった。しかし、それは一瞬の計画停電のようなものだったのかもしれない。また私たちはお金でなんでも買える資本主義に戻ってしまったように思える。

一方で、お金がなくても、お金を介さずとも、ライフラインを確保して生きるやりかたもある。里山はそれを教えてくれる。

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2013年12月12日 (木)

『小暮写眞館(下)』(宮部みゆき著)実は現像されていないあの写真に、写した者の想いが写っているんじゃないか、そんなことを連想させる。

心霊写真を巡るミステリィは、封印してきた花菱家の過去を呼び起こして行く。そしてその過去にケリをつけたとき、それが新しい関係を作っていく。

一瞬を切り取る写真は、鉄路を走る電車が一瞬立ち止まる駅のようなもの。電車は駅を運べない。ただ一瞬立ち止まるだけ。だんだん心霊写真の話から遠ざかっていくようにも思えるが、実は現像されていないあの写真に、写した者の想いが写っているんじゃないか、そんなことを連想させる。


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2013年12月11日 (水)

『小暮写眞館(上)』(宮部みゆき著)写真に写ったものは、撮影者の「想い」。

花菱家が寂れた商店街の古い写眞館付きの住宅に引っ越してくる。高校生の花菱英一は、ひょんなことから一枚の写真を手にする。それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「幽霊」は泣いていると言う。英一はその写真の謎を探ろうとするが・・・。

心霊写真を巡るミステリィ。写真に写ったものは、撮影者の「想い」。その「想い」を巡る小さな冒険が、封印してきた英一の過去に結びついて行く。


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2013年12月10日 (火)

『ブラックジャックによろしく 8』(佐藤秀峰作)この巻の最後の言葉に、泣きました。

がん医療の完結編。がん患者の辻本さんの最期の数カ月、その姿が斉藤たちに新たな道を指し示す希望になっていく。

医療とは、死に抗うことであるかのように進歩を続けて生きた。医療の進歩がひとの命を長くしたことに間違えはないだろう。しかし、その過程で、医療にとって、死は忌むべきものであり、敗北であり、絶望であると見なされてきた。それゆえに治らない患者は見捨てられる。死にゆく患者たちに医師は無力なのか。そう問い続けた斉藤たちは辻本さんの姿を通じて、ある想いを抱くようになる。

この巻の最後の言葉に、泣きました。


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2013年12月 9日 (月)

『STAND UP! VOL.3』(2013/12/08 渋谷・O-NEST)赤坂は怖い場所じゃないですよ。

『STAND UP! VOL.3』
日時:2013/12/08(日)11:50開演
会場:O-NEST(渋谷)
出演者(出演順):大峰千織、齋藤翔子、東城咲耶子、長嶋はるか、徳永愛

来年2014/3/21のデビュー15周年記念ソロライブに向けてのマンスリー徳永愛の2回戦は、12/8(日)渋谷O-NESTにて。

↓カンバンをパシャリ。
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トップバッターは、大峰千織さん。白を基調としたメイド服。確か先日、森下純菜さんのイベントライブで2人組のAstirとして出演していた方。今回はソロ。(ソロでの出演は初めてだそうです。)


2番手は、齋藤翔子さん。赤と黒のチェックのメイド服。ニックネームは「しょんたん」。


3番手は、東城咲耶子さん。女子高校生風の衣装。あまり体調が良くなったようで「虚弱体質」ってかかれたTシャツを着ていました。自虐ネタ?

4番手は、長嶋はるかさん。白と青のメイド服。ファンの方がなかなか団結力がありました。


・・・って、ここまでの出演者4人のうち3人がメイド服。個性を引き出すはずのコスプレが当たり前になってしまうと個性が引き立たないかも。


ラストは、徳永愛さん。今回は、しっかりと「黄色」のケミカルライトを持参して参戦しました。流石に「黄色」のポンポンは準備できませんでしたが、開演前に会場で自作されているファンの方もいらっしゃいました。

(セットリスト)
1.LOVE is the BEAT
2.そんなあなたが"好き"なんです
3.take me to the road
4.Carry out rvolution
5.Heartful Candy

「黄色」のポンポンが活躍したのが、2曲目の「そんなあなたが"好き"なんです」。愛ちゃんのブログで予告されていた曲です。お客さんが「黄色」のポンポンを用意していたのが、愛ちゃんは嬉しそうでした。お客さんからポンポンをお借りして、愛ちゃんもパフォーマンス。盛り上がりましたね。

私は木曜日(12/5)のスタジオCHANCEでの愛ちゃんのソロライブに行けなかったので、何がどう「撃沈」したのかわかりませんが、「黄色」のケミカルライトの光が会場に溢れ、合いの手や掛け声がかかるこの場は、愛ちゃんにとってもアウェイではなかったはず。愛ちゃんがMCでも強調していましたが、赤坂は怖いところではありません。ぜひ、CHANDOLのメンバーとして頑張っている徳永愛さんを観に、赤坂のスタジオCHANCEにいらしてください。来年1月からはCHANDOLのメンバーが変わります。そして間違いなく、愛ちゃんはリーダーとしてCHANDOLというグループをひっぱっていく存在になるはずです。そうやって頑張っている愛ちゃんを応援してほしいと思います。

↓今回はちゃんと「黄色」を用意しましたよ。
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14時から赤坂のスタジオCHANCEで羽賀佳代さんのソロライブも開催される中、徳永愛さんの出演は13:10-13:40の予定という、さあ、あなたはまさにどっちに行くの? 行くならこの「踏み絵」を踏んで行きなさい状態でした。
しかし、徳永愛さんの出演後、赤坂に向かった踏み絵を踏まない剛の者が(私が確認できただけで)約3名。なんと間に合ったそうです。(っていうか、後で聞いた話ですが、もともと赤坂の開演時間が10分遅れに設定されていたそうです。そういうの、早く言ってよぉ。別に佳代ちゃんの恐らく初披露の「my life」とか、久々の「ワンダラー」とか、「蛍」のアコースティックバージョンとか、聴けなかったからって、悔しくなんてないんだからねっ。)

私はカレーの恩義を棚上げし、悪あがき的な移動はせずに、そのまま居残りして物販の列に並びました。いやいや、愛ちゃんの「どうしてざっくさんがここにいるの?」的な驚きと困惑が入り混じった表情を観れて、ここに残って良かったと思いました。私が日曜日にとリクエストした「ダイエットウーマン」を木曜日に歌った愛ちゃんに倍返しだ。
愛ちゃんファンの方と挨拶できたのも良かったです。これからも愛ちゃんの現場に行きますので、よろしくお願いします。

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2013年12月 8日 (日)

『anthology』(Cymbals)初期の土岐麻子さんの歌声が楽しめる。

タワーレコード限定で、Cymbalsの4枚のアルバムが再発売されると聞いて、タワーレコードに行ったものの、売れ切れでした。で、2003年に発売されていたベスト盤を売っていたので、そちらを買いました。10%OFFだったし。

Cymbalsは土岐麻子さんが属していたグループ。土岐さんの独特な歌い方が好きなのですが、この頃はまだそれが確立されていなくて、初期の土岐麻子さんの歌声が楽しめます。

1. RALLY
2. 午前8時の脱走計画
3. コメディ・ショウ
4. My Brave Face
5. Show Business
6. More Respected Man
7. Do You Believe In Magic?
8. This Year's Gear
9. Mr.Noone Special
10. Hey, Leader!
11. Highway Star, Speed Star
12. Swing, Swing, Swing!
13. Higher than the Sun
14. Sine
15. Wingspan
16. E.G.G
17. アメリカの女王
18. Sailing Song
19. Love Thing
20. 怒れる小さな茶色い犬
21. Visualised!


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2013年12月 7日 (土)

風間惠理「Bar Carpediem 7周年記念SM Live」(2013/12/05)心地よいタップのリズムと風間っちの歌声

仕事が終わった時にはすでに徳永愛ちゃんが、私が日曜日にリクエストしたはずの「ダイエットウーマン」を歌い終わっていた頃(←後で知った)。それでも赤坂にGO! 徳永愛さんの出待ちをしに行ったわけではありません(笑)。

風間惠理さんが出演していた「Bar Carpediem 7周年記念 Stomple Magic Tap & Oldies Live」を観に行きました。

↓カンバンをパシャリ。
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タップが刻む心地よいリズム、ノリの良いバンド、そしてなによりも楽しそうに歌う風間っち。良いなあ。

ステューピッド・キューピッド、キッスは目にして Stomple Magic 風間惠理 Bar Carpediem

タップも「クレオパトラの夢」や「スペイン」といったジャズに合わせていたのが新鮮で面白かった。
そして、なによりも風間っちの笑顔、そして歌声に癒された。「ボーイ・ハント」があれっ?な終わり方をしても気にしない。そういうハプニングもライブの醍醐味。

↓終わった後の記念撮影。
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風間っちのお兄さんもいらしていて少しお話させてもらいました。風間っちのプライベートもちょっと垣間見れて面白かった。風間っちとも少しだけ話をすることができました。風間っち、赤坂のスタジオCHANCEにも遊びにいきたそうでしたよ。いろいろあったとは思うけど、CHANCE出身ということを肯定的に言える風間っち、やっぱり好きだ。

CHANCEが風間っちの中退以降歌っていなかった「Saying Good-bye」の封印を解いたけれど、やっぱりこの曲は風間っちにも歌って欲しいなあ。
龍史さん、アッキーさん、高橋親方、CHANCEのメンバー、風間っちにも「Saying Good-bye」を歌わせてあげてください。(切実。)


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2013年12月 6日 (金)

『小路幸也 少年少女小説集』(小路幸也著)最後に自作解説までついていて至れり尽くせりの短編集。

夢、希望、怖れ、孤独、友情、等、子どもたちを主人公にした単行本未収録の短編を集めた文庫オリジナル。最後に自作解説までついていて至れり尽くせり。テレビドラマにもなった『東京バンドワゴン』シリーズ他、小路さんは子どもを描くのが上手い。

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2013年12月 5日 (木)

『極北ラプソディ』(海堂尊著)様々な制約や障壁に立ち向かっていく医師たちの姿は読むものの心を鷲づかみにする。

財政破綻した極北市の市民病院の院長に就任した世良は、地域医療の再建を図る。人員削減や救急診療の委託を断行し、非常勤医の今中に“ジェネラル”速水が仕切る雪見市の救命救急センターへの出向を指示する。

「バチスタ」シリーズと違い、この極北市(モデルは夕張市と思われる)を舞台にしたシリーズは、ミステリィ的な要素は薄い。むしろ、医療現場の在り様、在るべき姿に向かって奔走するひとたちの姿を描いている。自分の仕事をキッチリとこなしながら、様々な制約や障壁に立ち向かっていく医師たちの姿は読むものの心を鷲づかみにする。

この物語のもう1つの主役は「ドクターヘリ」。ドクターヘリの運用も試行錯誤しているのだろうが、様々な制約の中でギリギリの判断をしながら運用されている様が描かれている。俺のところに患者を連れてこい、そうすればひとりでも多くのひとを救える。そう願いながらドクターヘリを飛ばす、”ジェネラル”。その姿に、どうしてもテレビドラマで速水役を演じた西島秀俊を思い浮かべてしまう。


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2013年12月 4日 (水)

『三国志 第九巻』(宮城谷昌光著)後の物語によって諸葛亮は過大評価されている。

「出師の表」を書き魏討伐の軍を発した諸葛亮だが、自らが重要な役割に登用した馬謖の失敗で惨敗する。諸葛亮は目をかけていた馬謖を誅してしまう。「泣いて馬謖を斬る」と言われるエピソードだが、宮城谷さんの目は、それを諸葛亮の重大な失敗だとみる。

私が三国志の物語に初めて触れたのは社会に出る前だが、社会に出たあとでこのエピソードに触れると、馬謖を誅す諸葛亮の姿は、責任を部下に押しつけ、部下を切り捨てる上司の姿に被る。こういう上司にロクなヤツはいない。失敗した部下をどう処するか、は顕著に上司の力量が表れる局面だ。重大な失敗だとは言え、一度の失敗だけで部下を切り捨てて行けば、部下は育たない。蜀にように人材の乏しい国でそれをすることは致命的である。

また、宮城谷さんは諸葛亮の戦略にも疑問を呈す。機を観て動けず、大義も示せず、失敗を恐れリスクをとらない諸葛亮は軍事的には凡庸であった。後の物語によって諸葛亮は過大評価されている。諸葛亮の死後、裏切り者とされて処された魏延の方がずっと軍事的戦略において優れていた。その魏延を用いず、馬謖を重用した諸葛亮は人を観る目もなかった、ということである。

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2013年12月 3日 (火)

『ブラックジャックによろしく 7』(佐藤秀峰作)絶望は眩しい。そんな患者の言葉が心を突く。

ガンに立ち向かった2人の医師。ガン治療に光を見出そうと奮闘するも、その先に待っていたのは患者の死、そしてガン治療という泥沼でもがいた医師も無力感に苛まれるが、それ以上の絶望を味わうのは患者である。何も知らされないまま時間だけが過ぎていく。自分の生の残された時間と向き合わなくてはならなくなる患者もまた、絶望を味わう。絶望は眩しい。そんな患者の言葉が心を突く。

そして、著作権フリーにした影響で、この巻のクライマックスはよくパロディにされている。それはガン治療という出口のない戦いの息抜きになっているのではないかと思う。

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2013年12月 1日 (日)

劇団21世紀FOX『デッパリちゃんとヘッコミくん』老補の劇団を支えるのは若い役者の力。

劇団21世紀FOX『デッパリちゃんとヘッコミくん』
2013年11月26日(火)~12月1日(日)
ザ・スズナリ(下北沢)
演出:肝付兼太
出演:高瀬迅、山崎悟、東野伸一、清藤勇太、永原達朗、折田潤、土方香織、新井田裕子、鐘真理、鯵坂万智子、榎本くるみ、伊波理奈、竹田愛理、正村正太朗、肝付兼太
ゲスト:橘U子(ケンユウオフィス)、亀田理紗(劇団K-Show)、世理、伊藤健太郎(劇団K-Show)

劇団21世紀FOX第71回公演、『デッパリちゃんとヘッコミくん』を観に、下北沢のザ・スズナリに。久々の下北沢。小田急線が地下に潜ってからは初めて。劇団21世紀FOXを観るのも初めてだし、下北沢での私の主戦場は本多劇場だったので、ザ・スズナリに入るのも初めて。

↓カンバンをパシャリ。
001

舞台は山形の高校。男臭い応援団と、女の園宝塚歌劇研究会。それぞれ女人禁制・男子禁制の世界なのだが、応援団の男子が宝塚歌劇研究会に入りたいと言いだして・・・。その邪な思いが、その世界を変えて行く、というなんとも青春臭い物語。

劇団21世紀FOXは来年30周年を迎える老補の劇団だが、それを支えているのは若い力。この劇でも、劇団出身のベテラン役者と、客演の亀田理紗さんを初めとした劇団の若い役者たちがしっかりと芝居を作っていた。

さて、私のお目当ての鯵坂万智子さん。彼女は劇団21世紀FOXのメンバーであると同時に、中村龍史プロデュースCHANCEのアイドル的グループCHANDOLのメンバーでもあります。CHANDOLではキレキレのダンスと強気な発言で最年少とは思えない度胸の良さを見せる彼女ですが、それは、この舞台でも発揮されていました。
彼女の役どころは、宝塚歌劇研究会のメンバーで、その伝統に反抗的でなおかつ次期部長の座を狙っている。そして策略により部長の座を射止めるも、前部長や主演女優との確執があり、やがて、男子を宝塚歌劇研究会に入部させようとし、波乱を起こす。
このときに、舞台の隅で、悪い顔でほくそ笑んでいる彼女の表情がとっても良かった。普段CHANDOLで観ている彼女とは全く違う顔だった。

芝居は、やや暗転の時間が長く感じられたのちょっと気になったところ。出演者が大勢の芝居なのだが、それぞれの役に見せ場がある。脚本も、最後の場面、老人が連れていた女性が誰だったのか、名前を呼ばずに観客に知らせたあたり、巧いなあと思った。

カーテンコールでは、主宰の肝付兼太さんや客演のみなさんがひとことづつ挨拶を。肝付兼太さんは私にとっては子どもの頃に馴れ親しんだスネ夫の声のひと。なんだかちょっと嬉しかった。

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