劇団21世紀FOX『デッパリちゃんとヘッコミくん』老補の劇団を支えるのは若い役者の力。
劇団21世紀FOX『デッパリちゃんとヘッコミくん』
2013年11月26日(火)~12月1日(日)
ザ・スズナリ(下北沢)
演出:肝付兼太
出演:高瀬迅、山崎悟、東野伸一、清藤勇太、永原達朗、折田潤、土方香織、新井田裕子、鐘真理、鯵坂万智子、榎本くるみ、伊波理奈、竹田愛理、正村正太朗、肝付兼太
ゲスト:橘U子(ケンユウオフィス)、亀田理紗(劇団K-Show)、世理、伊藤健太郎(劇団K-Show)
劇団21世紀FOX第71回公演、『デッパリちゃんとヘッコミくん』を観に、下北沢のザ・スズナリに。久々の下北沢。小田急線が地下に潜ってからは初めて。劇団21世紀FOXを観るのも初めてだし、下北沢での私の主戦場は本多劇場だったので、ザ・スズナリに入るのも初めて。
↓カンバンをパシャリ。
舞台は山形の高校。男臭い応援団と、女の園宝塚歌劇研究会。それぞれ女人禁制・男子禁制の世界なのだが、応援団の男子が宝塚歌劇研究会に入りたいと言いだして・・・。その邪な思いが、その世界を変えて行く、というなんとも青春臭い物語。
劇団21世紀FOXは来年30周年を迎える老補の劇団だが、それを支えているのは若い力。この劇でも、劇団出身のベテラン役者と、客演の亀田理紗さんを初めとした劇団の若い役者たちがしっかりと芝居を作っていた。
さて、私のお目当ての鯵坂万智子さん。彼女は劇団21世紀FOXのメンバーであると同時に、中村龍史プロデュースCHANCEのアイドル的グループCHANDOLのメンバーでもあります。CHANDOLではキレキレのダンスと強気な発言で最年少とは思えない度胸の良さを見せる彼女ですが、それは、この舞台でも発揮されていました。
彼女の役どころは、宝塚歌劇研究会のメンバーで、その伝統に反抗的でなおかつ次期部長の座を狙っている。そして策略により部長の座を射止めるも、前部長や主演女優との確執があり、やがて、男子を宝塚歌劇研究会に入部させようとし、波乱を起こす。
このときに、舞台の隅で、悪い顔でほくそ笑んでいる彼女の表情がとっても良かった。普段CHANDOLで観ている彼女とは全く違う顔だった。
芝居は、やや暗転の時間が長く感じられたのちょっと気になったところ。出演者が大勢の芝居なのだが、それぞれの役に見せ場がある。脚本も、最後の場面、老人が連れていた女性が誰だったのか、名前を呼ばずに観客に知らせたあたり、巧いなあと思った。
カーテンコールでは、主宰の肝付兼太さんや客演のみなさんがひとことづつ挨拶を。肝付兼太さんは私にとっては子どもの頃に馴れ親しんだスネ夫の声のひと。なんだかちょっと嬉しかった。
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