2013年の映画: テッドは風立ちぬをアンコールする。
2013年を振り返り。今回は映画。赤坂に通いすぎて、一番犠牲になったのが、実は「映画」。2013年は映画を観る回数が激減しました。その中で選んだ3本。
『風立ちぬ』(監督:宮崎駿)
宮崎駿監督のもしかしたら最後の長編アニメ作品になるかもしれない作品。この映画のテーマは「夢」なのだと思う。そして、夢を持ち夢を叶えるということは、実は様々な犠牲の上に成り立っている、ということを語っている。
それでもなお、夢を持ち夢を叶えるということは、その人生を賭けるに足ることである。例えその夢の時間が短くても、その夢を叶えようとする時間は人生の花である。その夢を叶えようとする時間は儚い。しかし、それ故に美しい。
『アンコール!!』(監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ)
ひとは年金をもらう年齢になってもなお成長していける、という物語であり、家族や隣近所のひとびととの関係も修復していける、という物語であり、大切なものを失った喪失感を埋めてくれるものは音楽であり家族であり仲間である、という物語。マリオンが「True Colors」(Cyndi Lauper)を歌う場面で思わず涙が出た。テレンス・スタンプが、カッコ良い。
『テッド』(監督:セス・マクファーレン)
8歳の誕生日プレゼントにもらった熊のぬいぐるみが翌朝に喋り出し、それからジョンとデッドは友達になった。この映画は、それから27年後、自堕落な大人になった男と熊のぬいぐるみの話である。アメリカ人じゃないと伝わらないネタもあるのだろうけど、日本人に伝わりやすくする工夫をしている和訳も秀逸。
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