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2013年11月の26件の記事

2013年11月30日 (土)

【安吾を読む】『日本精神』日本精神は伝統の中にあるのではなく、いま・ここにある私たちが作っていくものである。

日本精神とは何ぞや、そしてそれが小説にどういう影響を与えているのか、について安吾が語っている。

「文学にも日本精神にかえれという声があるが特に日本精神を意識することは危険である。恰も小説を書くに当って特に自己を意識することが甚だ危険であることと同然である。」

私たちが表現するものの中には否応なく日本精神が潜んでいるのだから、とりたてて意識することはない。むしろ意識することが危険であると安吾は言う。


「外形的に西洋かぶれをすることも自然の流れであつてみればやがてそこにも日本精神の必然的な自律性が加わるだろう。」

日本精神は伝統の中にあるのではなく、いま・ここにある私たちが作っていくものである、という安吾の考えは一貫している。


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2013年11月29日 (金)

【安吾を読む】『金銭無情』「生きるからには愉快に生きなければならん、よって工夫が行われる、文明開化の正体はそれだけのものなんだ」

哲学者の最上清人が、女房にも逃げられ、戦後には飲み屋「タヌキ屋」の守銭奴亭主になる。哲学を捨て、ビヂネスに走った男とその周辺のドタバタが描かれている。

「生きる、是が非でも生きる、生きるということが分からなきゃア、第一人間の理想てえもんが分る筈がないではないですか。生きるからには愉快に生きなければならん、よって工夫が行われる、文明開化の正体はそれだけのものなんだ(以下略)」

ビヂネスとは生きる人間の営みなのだからそこには哲学があるはずなわけで。アンゴ先生は、生きるからには愉快に生きなければならん、と仰られる。それこそが人類の歴史を、文化を作ってきたのだと。


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2013年11月28日 (木)

『LEVEL3』(Perfume)きゃりーぱみゅぱみゅとの棲み分けが今後の課題。

1. Enter the Sphere
2. Spring of Life (Album-mix)
3. Magic of Love (Album-mix)
4. Clockwork
5. 1mm
6. 未来のミュージアム
7. Party Maker
8. ふりかえるといるよ
9. ポイント
10. だいじょばない
11. Handy Man
12. Sleeping Beauty
13. Spending all my time (Album-mix)
14. Dream Land


前作「JPN」より約2年ぶりのオリジナルアルバム。ワールドツアーを行い世界進出も果たしたPerfume。エレクトロサウンドという流れを作りだし、雨後の筍のようにPerfume後に現れたエレクトロ路線のアーティストをことことく撃退してきたPerfumeだが、今や、Perfumeの最大の敵は、きゃりーぱみゅぱみゅである。きゃりーぱみゅぱみゅとの棲み分けができれば良いのだけれど、どうしてもきゃりーぱみゅぱみゅとかぶる部分がでてくる。つまり、Perfumeの曲と言いながらも、きゃりーぱみゅぱみゅが歌っても良いよね、という領域がでてくる。そうなれば、勢いのあるきゃりーぱみゅぱみゅの方に分がある。


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2013年11月27日 (水)

『街場の憂国論』(内田樹著)国家は株式会社のようになってしまったのか。

内田樹さんが主に国家や政治、経済について、新聞、雑誌やブログ記事に書いたものを、カテゴライズしてまとめたもの。

内田さんは、国家が株式会社のようになっていると警告する。国家が何か政策を行うとき3世代先、100年先を見据えて行うべきだが、国家が株式会社のようになってしまうと、極めて短期的な利益しか追い求めなくなる。そうなると効率の悪いものにお金が回らなくなるし、社会的な弱者を斬り捨てるような政策が横行していく。

内田さんは、池田内閣で高度経済成長政策を立案した下村治さんの言葉を引き、国民経済とは、この日本列島で生活している1億2000万人がどうやって雇用を確保し、所得水準を上げ、生活の安定を享受するか、を考え実現することだと言う。その定義だと、日本列島にしがみ付かずに生きていける所謂グローバル企業やグローバル人材は国民経済の対象には入っていない。

大飯原子力発電所を再稼働させるとき、グローバル企業は、電気料金が上がってコストが高くなると日本でモノづくりができなくなる、工場を海外に移転せざるを得なくなる、国民の雇用や生活水準が維持できなくなるがそれで良いのか、と日本国政府に迫った。それに屈服(もしくは同調)する形で某市の市長は前言を翻し、政府は原子力発電所を再稼働させた。
しかし、「日本を出て行く」と脅しをかけるような企業の言いなりになることが、国益と言えるのだろうか。この国でがんばっていく企業や国民を大事にすること、それが国家の役割であり、本当の意味での国益ではないのだろうか。

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2013年11月26日 (火)

『機動戦士ガンダムさん (10)の巻』(大和田秀樹作)「何かが間違って伝わって誤解されたまま製作された」ガンダムに笑う。

『機動戦士ガンダムさん』も10巻。『ガンダムA』初期の頃からずっと長く続いている人気シリーズだ。この巻の目玉は「何かが間違って伝わって誤解されたまま製作された」ガンダム。スカートめくりが得意なアムロン少年が主人公のこの物語は黒い三連星までは何となくガンダムのストーリーっぽく進むのだが、そこからいきなり中ボス3兄弟をあっさり撃破しラスボスを倒しちゃう、というあたりが、いかにも「打ち切り」になった感があり楽しい。


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2013年11月23日 (土)

『岡田斗司夫の「風立ちぬ」を語る2~本当は残酷で恐ろしくて美しい「風立ちぬ」~』(岡田斗司夫)犠牲の上に成立しているから、せめて綺麗な夢を見せましょう。メデタシ、メデタシ?

kindle本。宮崎駿監督の『風立ちぬ』を宮崎作品の最高傑作と言う岡田斗司夫さんは、この物語はみんなが思っているような美しい物語ではないよ、と言う。その続編なのだが、ほとんど、前の巻で言い尽くした感があり、この巻はほとんど補足のようになっている。聞き手のリアクションもワンパターンで、岡田さんの話を引きだしているとも言い難い。

岡田さんは、堀越二郎さんもひどいひとだったが、宮崎駿さんもひどい人だよ、と言っている。宮崎監督は「教養がなかったり、美しいモノを作るジャマをするような人達には興味がない」ひとだし、「文化・文明というのは犠牲になるひとがいるから成り立つ」と言っていると。

しかし、第1巻の岡田さんの言葉を借りれば、「犠牲の上に成立しているから、せめて綺麗な夢を見せましょう」ということであり、「夢に魅入られて人達は呪われているかもしれないけれど、彼らの夢のお陰で日本人はひととき幸せになりました」と。

私たちは、それにメデタシ、メデタシ、という結びの言葉を口にして良いものかどうか、複雑な気持ちになる。


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2013年11月22日 (金)

『岡田斗司夫の「風立ちぬ」を語る1~人でなしの恋を描いた「風立ちぬ」~』(岡田斗司夫著)薄情者の恋と夢は多くの犠牲の上に成り立っている。

kindle本。宮崎駿監督の『風立ちぬ』を宮崎作品の最高傑作と言う岡田斗司夫さんは、この物語はみんなが思っているような美しい物語ではないよ、と言う。

私が『風立ちぬ』を観て抱いていた最大の違和感は、主人公の二郎君は、震災のときに菜穂子さんとその女中のお絹さんを助けるけれど、二郎君が好意を抱いていたのはお絹さんのはずでした。菜穂子さんが二郎君に忘れ物を届けて、二郎君はもう一度会いたくなって菜穂子さんの家まで行くのだけれど、その時、二郎君が会いたかったのは菜穂子さんではなく、明らかにお絹さんの方だった。それなのに、軽井沢で菜穂子さんと再会を果たすと、菜緒子さんに出会った時からずっと好きでした、と告白していたことだった。
つまり、二郎君は美しいものが好きなのであって、美しければお絹さんでも菜穂子さんでも、どちらでも良かった、ということではなかったのか。そして、二郎君は、ほど美しくはない二郎君の妹君に対してはあまりにも蔑ろにする態度を示す。妹君との約束は平気で忘れてしまうし、いくら身内でもそれはないだろう、という対応を何度も繰り返す。だから、妹君から「薄情者」と言われてしまう。

主人公の堀越二郎は飛行機だけではなく、美しいものが好きである。

岡田さんは、「菜穂子さんの恋がどんなに残酷で美しいかというと、二郎君が菜穂子さんに対して好きだという理由が、『綺麗だから』しかないからです。」と言う。そして、こう続ける。「そう言われている菜穂子さんはどうするのかというと、綺麗でいるしかなかったのです。だから菜穂子さんは、二郎君に綺麗でないところを見せられないから、ひとりで死ぬしかなかったんです。」

二郎君は、高原のサナトリウムに菜穂子さんを一度もお見舞いに行かない。飛行機の設計に没頭しているから。そんな二郎君に焦れた菜穂子さんが二郎君に会いに来ても、二郎君が心配するのは菜穂子さんに会えなかったらどうしよう、という自分の心配ばかり。ひとりで死ぬためにサナトリウムに戻っていった菜穂子さんを追いかけることもなく、飛行機を設計し続ける。そして、菜緒子さんが死んだ後には、菜緒子さんにあなたは生きて、なんてことを夢の中で言わせて、ありがとう、なんて言っている。

彼が設計した戦闘機が米軍にボロボロと撃墜され、挙句の果ては若者たちがバクダンを積んだまま彼が設計した戦闘機に乗って特攻させられ、日本の国民が焼夷弾に脅え家族や家を失って日本の国土が焦土と化しても、ただ彼の欲望は美しいもの(飛行機)を作りたかっただけだ。二郎君の夢は、そんな多くの若者や日本人の犠牲の上に成り立っているものであったけれども、二郎君はそういうものを棚上げできる強さを持っている。無関心、という強さを。そして、無関心、という強さを私たちは残酷、と呼ぶ。

二郎君の声をあてた庵野監督の「エヴァみたいに画で残酷と美しさを見せるんではなく」、一見美しいと思われる物語の裏側に人間の持つ残酷さを描いた宮崎監督。宮崎監督は引退作にして、岡田さんの言うように最高傑作を創り上げたのかもしれない。



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2013年11月21日 (木)

『見えない復讐』(石持浅海著)金は出すけど手は出さない者の結末とは(読んでのお楽しみ)。

田島祐也が企てるのは「法人」としての大学への復讐。田島は復讐のための資金を稼ぐため、ベンチャー企業を起業する。その田島が出資を求めたのがエンジェル投資家の小池規彦。小池は田島の大学の先輩であり、彼もまた大学への恨みを抱いていた。一見、熱意と才能に満ち溢れた起業家に見える田島に、大学への復讐の想いを嗅ぎ取った小池は田島に支援を続けるが・・・

田島は、「法人」としての大学への復讐が困難であること、そしてなによりもビジネス=生きることが楽しくなってくる。一方の小池は田島の復讐心が揺らぐのをヤキモキし、田島の背中を押そうとするが・・・金は出すけど手は出さない者の結末とは(読んでのお楽しみ)。


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2013年11月20日 (水)

『半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義』(半藤一利,宮崎駿著)負け戦のときは負け戦のなかで一生懸命生きるしかない。

夏目漱石好きという共通点のある半藤さんと宮崎さんの対談をまとめたもの。半藤さんが宮崎さんのアニメ映画『風立ちぬ』を観る前・後で対談が別れており、『風立ちぬ』とその時代の考証なども興味深い。

宮崎さんは今はファンタジーがつくりにくい時代だと言う。さらに、これから少子化が進む日本ではアニメーションの観客が減り続ける。これまでのようにリソースをつぎ込むようなアニメーションが作れなくなっていくだろう、とも言う。日本は国を挙げてアニメーション文化を海外に売り込もうとしているけれども、かっての自動車や電化製品が今やそうでもなくなったように、アニメーションもまたいずれ日本の誇る輸出製品の座から引きづり下ろされる日がくるかもしれない。

しかし、宮崎さんは「不安だ、不安だ」という若者にこう言う。「健康で働く気があれば大丈夫。」「不安がるのが流行っているけど、流行に乗っても愚かなる大衆になるだけだからやめなさい。」と。何が正しいのか、何をすれば良いのかわからない時代であれば、みんなで困って悩んでみんなでオタオタすれば良い。負け戦のときは負け戦のなかで一生懸命生きるしかない。

私たちは勝て、勝ってナンボと教えられてきた。しかし、実際には人生は勝つこと負けることの方が断然多い。そうれあるならば、勝つことではなく負けないこと、負けた時にどうするか、を学ぶべきだろう。

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2013年11月19日 (火)

『ガラスの仮面 25』(美内すずえ作)私たちは姫川亜弓にかっての自分の姿、そうあったはずの自分の姿を投影している。

「紅天女」の試演に向け、稽古に励むマヤと亜弓の姿を描く[ふたりの阿古夜]編その2 。 稽古中のアクシデント亜弓の目が見えなくしたり、とベタな展開とも言えなくはないが、この巻は、まさに姫川亜弓のもの、である。

私は『ガラスの仮面』という物語は天才・北島マヤに挑む、努力の人・姫川亜弓の物語だと思っている。亜弓は「努力すれば夢は叶う」と信じており、「自分の光」で自分の人生を歩みたいと願っている。だから、夢を叶えるために「天才」北島マヤに打ち克つべく、努力をし続ける。

しかし、『ガラスの仮面』という物語を子どもの頃に読んだいたひとたちはあれから30年の年を重ねている。そんな大人になった私たちは、姫川亜弓のように努力することができずに夢を諦めたことも経験しているし、そして、「努力しても必ずしも夢が叶うとは限らない」ということも知っている。しかし、30年経っても少女のままの姫川亜弓は「努力すれば夢は叶う」ことをずっと信じ続けている。だからこそ、姫川亜弓という努力の人が愛おしいのだ。私たちは姫川亜弓の姿に、かっての自分の姿、そうあったかもしれない自分の姿を投影しているからだ。

姫川亜弓は、「私はこれだけ努力したのだから、それに似合う報酬を寄こせ」とも「既得権者はその権利を私に寄こせ」とも言わない。そういうことを言うひと達は、とどのつまり「努力すれば夢は叶う」ということを信じていない。だから、報酬や権利をあっさりと要求する。

姫川亜弓は、決してそういう要求をしない。ただ努力をし続ける。北島マヤという天才に打ち克ち、そして「紅天女」という欲しいものを手に入れるためには、努力し続けるしかない、ということを知っている。そんな姿から私たちは目が離せなくなる。

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2013年11月18日 (月)

森下純菜レギュラーライブ 「GENKI¡?Vol.64 Special」 @渋谷BURROW(2013/11/17)最初の1歩は素直な気持ちで。

森下純菜レギュラーライブ 「GENKI¡?Vol.64 Special」
日時:2013年11月17日(日)11:50 ~
場所:東京・渋谷BURROW
出演:森下純菜/CHANDOL/徳永愛/Astir/桜川ひめこ

森下純菜さん主催のライブイベントにCHANDOL(中川雅子さん、徳永愛さん、宮苑晶子さん)とソロ歌手として徳永愛さんが出演するということで、参戦してきました。

↓カンバンをパシャリ。BURROWは、SHIBUYA-O系のライブハウスですが、DUOとかO-WESTとは場所がちょっと離れている新しいライブハウスです。
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↓チケット。7番目に入場。徳永愛さんの予約特典の写真を受け取りました。
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トップバッターは「CHANDOL」。CHANCE的アイドルチーム=CHANDOLとして普段は赤坂の専用シアターで木・土の週2回ライブをしています。CHANDOLのメンバーは4人+研修生2人ですが、この日は、中川雅子さん、徳永愛さん、宮苑晶子さんの3人が参戦。

この日の衣装は、土曜日公演(木・土でセットリストが違い、衣装も違います)の青い衣装。歌ったのは、

1.move on! (CHANCEオリジナル曲:全員)
~MC~
2.DESTINO(「原宿ジェンヌ」カバー曲:宮苑晶子)
3.蛍(CHANCEオリジナル曲:中川雅子)
4.GAME OVER(CHANCEオリジナル曲:徳永愛)

の4曲。中川雅子さん、徳永愛さんの2人は元東京パフォーマンスドールで、赤坂でのCHANDOL公演は東京パフォーマンスドール曲のカバーもしていますが、この日はCHANCEのオリジナル曲で勝負。CHANDOLというか、むしろCHANCEの代表、という意気込みを感じました。

「move on!」は普段CHANDOL公演では歌っていないのでかなりチャレンジングだったと思います。「DESTINO」はいつでもどこでも宮苑劇場。「蛍」「GAME OVER」と続く流れはCHANDOLでは鉄板です。

CHANCE、CHANCEの公式サイトは、こちらです。もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、大人の街・赤坂においでください。


2番目に登場したのが、「Astir」 の2人。なんとデビューして2か月、2回目のライブ出演だそうです。見た目はネコ系のニャンニャンキャラなのですが、「マクロスF」の歌を歌ったのですがなかなかの雰囲気は作れていたし、どっちの方向で行くのか、まだまだ見えていないのかな。


3番目の登場が、「桜川ひめこ」さん。ネコ耳のメイド系の方。熱烈なファンの方がついているようです。始まる前に、「スミマセン、前の方に行かせてください」、終わると、「ありがとうございました」と後ろに撤退。礼儀正しいファンのみなさんでした。応援も様になっていました。


そして、4番目の登場が「徳永愛」さん。

1.凜
~MC~
2.LOVE☆LIVE☆LIFE
3.オレンジプラネット
~MC~
4.Heartful Candy  

私的には徳永愛マイベスト3(と言ってもベスト盤しか聴いたことがないのですが)に入る「オレンジプラネット」が生で聴けて大満足。
3月21日にCDデビュー15周年のライブをする(前の桜川ひめこさんの誕生日が3/21で当日イベントがあるということで、日付がかぶっていて会場がざわつきました^^;)、という目標に向けて、毎月ソロでライブに出る、その初日がこの日。かなり気合いが入っていたようですが、CHANDOLで歌った後だったので、良い意味で緊張がほどけていたようにも思えました。
ソロとしてもう一度頑張ってみようと思ったこと。その気持ちが余計な感情もなく、簡潔に、素直に言葉に現れていて、真っすぐにファンの心に届いたのではないでしょうか。
私はCHANCEの研修生として入ってきた時点からしか徳永愛さんを知らないのですが、赤坂の専用スタジオで彼女がどれだけ頑張っているかを観てきました。3/21のその日に向けて、精いっぱい応援したいと思います。


そして、最後に登場したのが、「森下純菜」さん。彼女が徳永愛さんにもう一度ソロでライブをしていく、その第1歩を踏み出す後押しをしてくれていたようです。そうであれば、礼儀としてキッチリ応援したいというもの。彼女の11枚目の最新アルバム「melody」を予習していったのですが、この日は10枚目と11枚目のアルバムの中からの構成だったようで、半分程度、聴いていた曲だったので、応援しやすかったです。

↓私的には徳永愛さんがこのライブに出なければきっと聴く機会さえなかった、という意味で、とっても良い拾いモノだった「melody」。楽曲が打ち込みではなくバンドのグルーブがあって良いなあ、と思っていたら、森下純菜さんは普段はバンドを引き連れてライブをしているそうです。納得。


途中、純菜さんファンの方が応援グッズ(ポンポン)を貸し出していました。ファンでないひとも巻き込んで応援してもらおう、という気持ちは「買い」です。


この日のライブ、CHANDOLにとっては3回目となる対外試合。徳永愛さんにとっては3/21のソロライブに向けての第1歩。私も普段の赤坂での応援の仕方ではなく、柄にもなく目立つように応援しようと決意。
ドンキホーテで武器(ケミカルライト)を仕入れてきました。・・・が、この武器、普段使いなれていないとなかなか使いこなせませんね。結局、いつもの手拍子メインの応援に。でも、普段は絶対にしない掛け声は出しましたよ。演者まで届いたかどうかはわかりませんが。
021
ファンの心の光が、愛ちゃんに届きますように。


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2013年11月17日 (日)

スイートポップキャンディー@恵比寿JAN KEN PON (2013/11/16)風間っち、ここでもヅラかよ!

風間惠理さんがCHANCEを「中退」してから、彼女の歌が聴きたいなあと思いつつ、なかなかタイミングが合わなかったりして、ズルズルと時間だけが過ぎてしまいました。CHANCEがスタジオライブで「あの歌」を歌い始めたので、なおさら風間っちの歌声が恋しくなり、ついに行ってきましたよ、恵比寿JAN KEN PONに。

↓カンバンをパシャリ。
014

風間っちは、キャンディーズのカバーグループである「スイートポップキャンディー」のメンバーとして出演。

1,2ステージではキャンディーズの歌を披露。風間っちがメインで歌うわけではないのですが、風間っち、楽しそうに歌っている。CHANCEのときも歌を歌うときは楽しそうな表情をしていたのがとても印象的で、この娘は根っから歌を歌うのが好きなんだなあ、と思っていたのですが、そんな風間っちの表情が観ることができました。

そして、3ステージ目。なんと、ソロで麻丘めぐみの「私の彼は左利き」を披露。最初誰だか分らなかった。ここでもヅラかよ(笑)。ある意味、衝撃映像(笑)。↓


JAN KEN PONには初めて行きましたが、なんとも不思議な空間です。開演前に紙テープの仕込みをされているファンの方。見事な放物線を描いて紙テープを投げます(←まさに職人技です)。楽しみ方もひとそれぞれ。お目当ての歌手に黄色い声援(←まさに黄色かった)を送るひと。一緒に歌うひと、真ん中のスペースに出て踊るひと(←観るからに私よりも年配の方が元気に、結構上手に踊ってらっしゃる)。ひたすらビデオや写真をとっているひと。(←なんのお咎めもなし。むしろ、ライブ後には出演者が喜んで写真撮影に応じていました。)
ただ、ミックスピザは出てくるのが遅いので、注意が必要。

私も1枚、写真を撮らせてもらいました。念のため、一番左が風間っちです。風間っち、良い笑顔です。DANちゃん(矢原里夏さん)が「風間とは不倫(不倫でCHACHACHA)は無理!」と言ってネタにしてましたが、風間っち、可愛いと思うけどな。ただ、歌うこと以外が不器用なだけで。
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風間っちは宣伝も苦手っぽいので、お手伝い。
12/5(木)赤坂のBar Carpediemにて風間っち、歌います。19:30-,21:00-,22:10-の3ステージ。3ステージ目はCHANDOLライブが終わってからでも観れますね。スタジオCHANCEからも近いので、ぜひ。
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2013年11月16日 (土)

【安吾を読む】『明治開化 安吾捕物 その三 魔教の怪』例によって勝海舟がトンチンカンな推理をして、最後に負け惜しみを言う、定番の展開。


『明治開化 安吾捕物』シリーズは坂口安吾作品のamazonのkindle本ランキングで上位を占める。気軽に読めるのが人気の理由なのだろうか。今回は腹を割かれ、肝臓を奪われるという連続怪奇殺人事件。例によって勝海舟がトンチンカンな推理をして、最後に負け惜しみを言う、定番の展開。


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2013年11月15日 (金)

【安吾を読む】『阿部定さんの印象』「恋する人に幸あれ。」

「恋する人に幸あれ。」という一文で結ばれる安吾の阿部定評。ショッキングでエログロな事件として取り上げられる阿部定さんだが、「お定さんも亦、ファッショ時代のおかげで反動的に煽情的に騒ぎたてられすぎたギセイ者であったかもしれない。」と安吾は言う。


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2013年11月14日 (木)

『マリアビートル』(伊坂幸太郎著)「どうして人を殺してはいけないの?」という質問にキチンと答えを用意しておける大人になろう。

元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線に乗り込む。この列車には、狡猾な中学生「王子」、腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」、ツキのない殺し屋「七尾」など、物騒な男たちが満載。様々な思惑と死体を乗せた新幹線は、盛岡を目指して走り続ける。

様々な物語が新幹線の車内という空間の中で繰り広げられ、最後には1つに集約されていく、という物語は著者の得意技。伊坂さんの物語は、完成した画がわからないジグゾーパズルのピースを1つ1つ嵌めて行くようなわくわく感がたまらない。

読者がイラっとくるのは、「王子」という中学生の存在だろう。「どうして人を殺してはいけないの?」という質問をするヤツは子どもも大人もロクなものではない。それに対する鈴木という普通のひとの答えが素晴らしい。大人は「どうして人を殺してはいけないの?」という質問にきちんと答えを用意しておくべきなのだろう。そして、「人生は自分の思うがままにはいかないのだよ」と教えるのもまた大人の役割だろう。そして反省すれば許してもらえる世の中は反省するフリの上手いひとを育てるだけで罪という重みすら軽くみられてしまい、「王子」のようなひとを増殖させているようにも思える。


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2013年11月13日 (水)

『Superfly BEST』(Superfly)Superflyのパワフルな歌声は疲れているときにも、いつも気分をアゲてくれる。

デビュー曲「ハロー・ハロー」から、この6年の間にリリースされた全シングル曲を含む、Superflyのベスト盤。彼女のパワフルな歌声は疲れているときにも、いつも気分をアゲてくれる。


■Disc1(CD)
1.Bi-Li-Li Emotion(新曲。テレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」主題歌)
2.ハロー・ハロー
3.マニフェスト
4.i spy i spy(Superfly×JET)
5.愛をこめて花束を
6.Hi-Five
7.How Do I Survive?
8.My Best Of My Life
9.Alright!!
10.恋する瞳は美しい
11.やさしい気持ちで
12.Dancing On The Fire
13.Free Planet
14.Wildflower
15.Always(※新曲)

■Disc2(CD)
1.タマシイレボリューション
2.Roll Over The Rainbow
3.Eyes On Me
4.Beep!!
5.Sunshine Sunshine
6.Rollin' Days
7.あぁ
8.愛をくらえ
9.さすらいの旅人
10.STARS(Superfly & トータス松本)
11.輝く月のように
12.The Bird Without Wings
13.Force
14.Starting Over(※新曲)

■Disc3(DVD)
1.ハロー・ハロー
2.マニフェスト
3.i spy i spy(Superfly×JET)
4.愛をこめて花束を
5.Hi-Five
6.How Do I Survive?
7.My Best Of My Life
8.Alright!!
9.恋する瞳は美しい
10.やさしい気持ちで
11.Dancing On The Fire
12.Free Planet
13.Wildflower
14.タマシイレボリューション
15.Roll Over The Rainbow
16.Eyes On Me
17.Beep!!
18.Rollin' Days
19.あぁ
20.愛をくらえ
21.STARS(Superfly & トータス松本)
22.輝く月のように
23.The Bird Without Wings
24.Force

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2013年11月12日 (火)

『暗殺教室 5』(松井優征作)意外な伏兵がE組の危機を救う。

この巻では、理事長率いるエリート集団との球技大会での対決と、防衛省から派遣された新しい体育教師の異常な教育方針と烏間そしてE組の生徒たちとの闘いが描かれる。そして、意外な伏兵がE組の危機を救う。

通常の教室では覚醒することのない「暗殺」という才能。殺センセーを殺すという目的において、これは貴重な才能かもしれない。しかし、この才能を伸ばすべきかどうか、烏間は悩む。

ここにきてのまさかの展開に驚いた。これまで暗殺というものがまだ現実味を持っていなかったのだが、ここにきて暗殺というものが俄然と現実味を帯びてきた。

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2013年11月11日 (月)

『シダの群れ3 港の女歌手編』キョンキョンのナマ歌が聴けるだけでも観る価値あり。

『シダの群れ3 港の女歌手編』
2013年11月6日(水)~11月30日(土)
Bunkamura シアターコクーン
演出:岩松了
出演:阿部サダヲ、小泉今日子、豊原功補、市川実和子、赤堀雅秋、末吉秀太(AAA)、佐藤銀平、永岡 佑、岡田 力、足立 理、桜木テン、戸井田 稔、吹越 満、小林 薫

岩松了の任侠劇『シダの群れ』の第三弾。私は第二弾は観たが、第一弾を観ていない。その第一段に出演していた阿部サダヲが第三弾に戻ってきた。タイトルにある港の女歌手には、小泉今日子。生バンドにキョンキョンの生歌が聴けるのが、私的には嬉しい。

しかし、お芝居的にはあまり見どころがなかった。主人公のかかえる理不尽な思いが私の心までは届いてこなかった。達者な役者はいっぱい出演しているのだけれど、「場」が作れていないような感じがした。なんだか登場人物が個々に芝居をしていてちぐはぐな印象を受けた。まだ始まったばかりなので、これから良くなっていくのだろうが。


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2013年11月 9日 (土)

【安吾を読む】『志賀直哉に文学の問題はない』「志賀流の日本の私小説も、それと同じニセ苦悩であった。」

「外国には、神父に告白して罪の許しを受ける方法があるが、小説で罪を行程して安定するという方法はない。ここに日本の私小説の最大の特色があるのである。
神父に告白して安定する苦悩ならば、まことの人間の苦悩ではない。志賀流の日本の私小説も、それと同じニセ苦悩であった。」

志賀作品は心血を注いで書かれたものではない、と安吾の冷徹な目はそれを看破する。

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2013年11月 8日 (金)

【安吾を読む】『天皇小論』科学の前に公平な一人間となること。

「日本的知性の中心から封建的欺瞞をとりさるためには天皇をただの天皇家になって貰うことがどうしても必要で、歴代の山陵や三種の神器なども科学の当然な検討の対象としてすべて神格をとり去ることが絶対に必要だ。」

日本の歴史は、藤原摂関家に始まる前から最近では薩長、軍部、自民党に至るまで、為政者たちが天皇というものを利用し続けた歴史である。GHQは天皇の戦争責任を問わなかったが、アメリカだって日本の占領統治のために天皇を利用したと言える。天皇というのはそういう権力構造の機関としての役割を果たしてきたが、天皇というものが為政者たちの隠れ蓑となり、為政者たちの責任の所在を曖昧にしてきた。徴兵制を復活させていざとなれば戦争をしたがっているひとたちだって、それとセットで憲法の草案には国家元首は天皇だと言いたがっている。もし彼らが戦争を始めても彼らは天皇の名のもとに戦争をするつもりであって、彼ら自身は責任を取らないだろう。そういう政治的に利用されかねないお立場から自由になることは天皇家のためでもあると私は思う。

また、山陵などは宮内庁の管轄で、発掘などの調査がままならない。これが日本の古代史の研究を妨げている要素の1つになっている。科学的な検証の結果、○○天皇陵と呼ばれているものが天皇家のお墓ではない、という結果が出るかもしれない。しかし、もしそうなったとしても、天皇家の名誉と国民の天皇に対する敬意は揺るぎないものだと私は思う。

最近では天皇陵を世界遺産にするためにイルミネーションをつけようと言っているおバカさんが大阪の方にいるそうだ。こういうひとはまず、自分の家の墓を電飾してみてはいかがだろうか。松井家の墓は世界遺産にはならないが、ご近所さんの笑いものにはなることは間違いない。

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2013年11月 7日 (木)

『MEMORY』(本多孝好著)神田と森野、2人の微妙な関係の変化が楽しめる。 

『MOMENT』『WILL』の神田と森野にまつわるショートストーリー集。彼らの中学時代、高校時代、大学時代、そしてその後の2人の姿が描かれている。森野が中学3年のときに起こした、教師を階段から突き落とした事件に始まり、2人の微妙な関係の変化が楽しめる。 

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2013年11月 6日 (水)

『暗殺教室 4』(松井優征作)自分たちが殺したい、彼らに殺されたい、というイビツだが強い絆で結ばれた教室という空間。

この巻では、2人目の転校生(刺客)により、殺センセーが追い詰められる話と、E組を貶めるための競技大会の序盤が描かれている。しかし、殺センセーもE組の生徒たちもそう簡単にやられるはすもなく。

「殺す」「殺される」という関係で結ばれた生徒と先生。自分たちが殺したい、彼らに殺されたい、というイビツだが強い絆で結ばれた教室という空間。ますます目が離せない。

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2013年11月 5日 (火)

『清須会議』(三谷幸喜著)自分を偽らず、自分の心に殉じて滅びていく勝家こそ、愛すべきひとである。

著者が脚本を書き監督を務める映画の原作。織田信長が明智光秀によって討たれた後、織田家の家督相続と領地配分を決めた「清須会議」。「合戦」ではなく「会議」で歴史が動いた数日間を描く。

光秀を討ち勢いに乗る羽柴秀吉は、軍師・黒田官兵衛とともにここでも巧妙な策略を講じ、丹羽長秀、池田恒興らの取り込みにかかる。対するは織田家の筆頭・柴田勝家。この無策で突っ走ることしかできない「親父殿」は、滅びの道を歩むことになるのだが、勝家こそ、この物語の中で唯一、愛すべきひとである。勝家だけが自分を偽らず、自分の心に殉じて滅びていく。


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2013年11月 2日 (土)

文夏@恵比寿AOYUZU(2013/10/31)

CHANCEの文夏さんがジャズを歌う、ということで恵比寿AYOYUZUに行ってきました。6/20、8/15、10/17に引き続き4度目の出演。年内はこれが最後かな?

↓カンバンをパシャリ。ハッピー・ハロウィン。この日、私はこのカンバンに出ていたワインを3杯いただきました。
Aoyuzu_002


文夏さんの歌は、20時~、21時~、22時~の30分3本勝負。この日は赤坂でCHANDOLを観てから立ち寄ったので、私は22時の回から参戦。

【22時の回】
1.Alice in Wonderland
2.Lovin' You
3.Moonlight Serenade (Inst.)
4.Honesty
5.White Christmas

この日は、文夏さんから「ライブの写真を撮ってください」とツイッターでつぶやきがあったので、この日はカメラ係に徹しました。(普段、音楽を聴くときに写真を撮ったり、メモを取ったりはしないのですが・・・案の定、いつもハズレくじの写真ばかり撮っているのであまり良い写真が撮れませんでした。)
→ こちらに私の撮った写真も載せてもらいました。



セットリストは文夏さんのブログに出ているので、こちらでご確認を。

カオリさんのピアノ、シンさんのヴァイオリンのコンビがとても息の合った良い演奏を聴かせてくれます。「ムーンライト・セレナーデ」が一瞬、「オー・ソレ・ミオ」に変わったりとか、遊び心があって聴いていて楽しい。

CHANCEのリーダー・水野江莉花さんも応援に来てました(ダーリンとご一緒に)。エリカ様の帰り際、CHANCEの羽賀佳代さんが出演していた舞台の話や今後のスタジオライブの話など、ちょっとだけお話させてもらいました。


この日も最初の回はヴォーカルが聴き難かったそうですね。マイクの問題なのか、音響の問題なのか、良く判りませんが、これはお店に改善してほしいところ。お料理は美味しいし、ワインも美味しかったので、それだけに残念。

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『内田樹による内田樹』(内田樹著)「誰かが自分に代わってこの世界を善きものとしてくれることはない。」

内田樹さんによる自書の解説本。内田さんの著書は100冊以上あるそうだが、その中から、「ためらいの倫理学」「先生はえらい」「レヴィナス序説」「困難な自由」「レヴィナスと愛の現象学」「街場のアメリカ論」「街場の中国論」「日本辺境論」「昭和のエートス」「『おじさん』的思考」「下流志向」の11作品が取り上げられている。

この本の中盤を構成する1/3は内田さんが師と仰ぐレヴィナス関連。その次に目を引くのが教育論。そして、「ためらいの倫理学」、「街場」シリーズ、「日本辺境論」、「下流志向」といった内田さんの代表作も外さずに網羅している。私はレヴィナスはよくわからない(内田さんの本を読んでもわからなかった)内田さんの読者としては初級者かも知れない。しかし、「誰かが自分に代わってこの世界を善きものとしてくれることはない」というスタンスはわかる。限りある人生だからこそ、私たちはより善く生きなければ。

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2013年11月 1日 (金)

『なぜ少数派に政治が動かされるのか?』(平智之著)0.6%の少数派が富を得るために、原子力発電所が、非効率な発電・配電システムが、維持され続けている。

著者の平智之さんは「禁原発」という主張をされている。原子力発電の推進派、所謂「原子力ムラ」のひとたちは日本の人口のたった0.6%。しかし、あの3.11のフクシマの事故が起こり、今もなおどこかの国の総理大臣が言うような「アンダー・コントロール」されているとは言えない状況の中でも、0.6%の少数派の主張が通り、原子力発電所が動き続け、さらには輸出されようとしているのか。それは、0.6%の少数派が大きなパイを少ない人数で享受するために、官僚や政治家をうまくコントロールしているからだ。0.6%の少数派が富を得るために、非効率な発電・配電システムを維持し続けている。

0.6%の少数派のひとたちが官僚制度を利用し、組織的な政治家への陳情を行うなどをしていることに対し、原子力発電に反対するひとたちはそういう組織的な動きができていない。それぞれ主張が異なる部分があり、まとまることができない。主張官邸前でデモをしているひとたちは個人個人であったり、小さなグループの集まりであって、それでは組織的に徒党を組んで原発を推進するひとたちには敵わない。

では、どうしていけば良いのか。残念ながら、この本にはその有効な手段が何も書かれていない。この本の枕の部分で問題提起ができているのに、この本のほとんどが著者の政策披露の場になってしまっていて、その解決の道標が示されていない。「インターネットでも何でも使って、実態を、自分たちの声を議員に届けるという努力はぜひともしていただきたい。」という言葉だけでは、著者の主張する「禁原発」が実現するとはとても思えない。その点が残念だ。

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