【安吾を読む】『戦争論』「戦争は終わった。永遠に。我々に残された道は、建設のみである。」
坂口安吾は戦争の効能を挙げながらも、原子バクダンというものが発明されたこの世においてはもはやその効能はなくなってしまったと言う。
「戦争は終わった。永遠に。我々に残された道は、建設のみである。昔ながらのものに復旧することを正義としてはならないのだ。こりることを知らねばならぬ。常に努力と工夫をもち、理想に向って、徐々に、正確に、めいめいの時代をより良いものとしなければならない。」
憲法を変えて日本も戦争ができる普通の国にしたいと思っているひとたちに聞かせたい言葉だ。原子力という悪魔の実を齧った私たちに残されていることは、まず「懲りる」ことである。その上で、もう二度と原子力を使わずに、どうしたら私たちの生活をよりよくしていけるかを考えることである。
安吾の言葉はそのまま現代に繋がっている。
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