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2013年9月17日 (火)

『言葉の箱―小説を書くということ』(辻邦生著)言葉というものは自分が好ましいというものを現実にしてくれる力を持っている。

小説の魅力、小説の言葉、小説とは何かについて平易に語り下した文学論。

「想像力は、つらい状況を超えて、ぼくたちを励まし、生命感を高め、ぼくたちの心に喜びの感情、勇気の充実した感じをもたらしてくれる」。

小説を書くひとは自分の身の回りのことを書きたがる。しかし、小説というのはそこから1つ階層の上がった想像力によって描かれる世界であるべきなのだ。

「自分の知っている世界ではなくて、『自分の好きな世界』、あるいはこの世から一段と高い、好ましいものに満ちた世界をイマージュとしてつかんでいく。」

しかも、それは 『自分の好きな世界』であるべきだ。それは笑いに満ちた世界かもしれない、愛に満ちた世界かもしれない、暴力に満ちた世界かもしれない、それでも自分の好ましいものに満ちた世界であるべきだ。

小説を書く、ということはどうどうことなのか、言葉というものは自分が好ましいというものを現実にしてくれる力を持っている。その力を使って物語を紡ぐ、それが小説を書く、ということなのだ。


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