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2013年8月30日 (金)

『この国。』(石持浅海著)デフォルメされているとは言え、「この国。」の姿はこの国にもつながる。

一党独裁の管理国家である「この国。」は開国以来、非戦平和を掲げることで経済成長を遂げた。
国家に対する反逆は極刑である「この国。」では、公開死刑が娯楽となっている。
何よりも経済成長を重視する「この国。」では、子供たちは小学校卒業時に将来が決められる。
非戦を貫く「この国。」では、士官学校はただの公務員養成所と化している。
「この国。」では近隣国から売春婦を輸入して「この国。」の政府が売春宿を管理している。
そして表現の自由が許された「この国。」では、カワイイをテーマに博覧会が開かれる。

この物語は、「この国。」の治安警察官である番匠と、反政府組織の戦略家である松浦が、ある事件をきっかけにそれぞれに恨みを抱くようになり、知略をめくらし、最後に対決する。

デフォルメされているとは言え、「この国。」の姿はこの国にもつながる。そんな国のあり方を巡って、それぞれ主張があり立場があり考え方があり対立するのだけれど、この国を思う根本は同じだ。しかし、彼らは恨みを抱きあってしまう。そういう意味でこの物語は悲劇である。



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