映画『風立ちぬ』夢を叶えるのは危険なこと。それでもなお、夢を叶えようとする時間は人生の花。
映画『風立ちぬ』
監督:宮崎駿
『崖の上のポニョ』以来、5年ぶりの宮崎駿監督のジブリ作品は、零戦の設計者である堀越二郎を描いたもの。
幼い頃より空を飛ぶこと、飛行機を作ることを夢見る少年は航空学を学び、航空機会社に就職する。しかし、時勢は日本が戦争に向かっていく時期。堀越の作る飛行機は戦争の兵器として使われる。
夢を持ち夢を叶えるということは、実は危険なことである。その夢が人を殺す兵器になってしまうかもしれない。その夢の結晶が若者たちを死地に追いやることになってしまうかもしれない。
それでもなお、夢を持ち夢を叶えるということは、その人生を賭けるに足ることである。例えその夢の時間が短くても、その夢を叶えようとする時間は人生の花である。二郎にとっても、菜穂子にとっても、その夢を叶えようとする時間は儚い。しかし、それ故に美しい。
残念なのは、主演の声。あの声は青年の声ではないよ。
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