映画『アンコール!!』 年金をもらう年齢になっても、ひとは成長していける。家族と仲間と音楽さえあれば。
映画『アンコール!!』 song for Marion
監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
アーサー(テレンス・スタンプ)は、隣近所でも有名なガンコ者。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオン(バネッサ・レッドグレーブ)にだけ。マリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“年金ズ”で歌うこと。しかし、無口で気難しいアーサーはマリオンの仲間たちの輪には入っていけない。
ある日、“年金ズ”が国際コンクールのオーディションに出場することに! 喜ぶマリオンだったが、マリオンにガンが再発する。
邦題は『アンコール!!』だが、原題は、『Song for Marion』。つまりアーサーが妻マリオンのために歌う歌、という意味だ。
これは、ひとは年金をもらう年齢(アーサーは72歳)になってもなお成長していける、という物語であり、家族や隣近所のひとびととの関係も修復していける、という物語であり、大切なものを失った喪失感を埋めてくれるものは音楽であり家族であり仲間である、という物語でもある。
マリオンが「True Colors」(Cyndi Lauper)を歌う場面で思わず涙が出た。
そして、そのアンサーソングが、アーサーが歌う「Lullabye (Goodnight, My Angel)」(Billy Joel)。
イギリスの映画なのにアメリカのポップスというのがなんとも粋ではないか。
久々にテレンス・スタンプを観たけれども、カッコ良いね。ああいう老人になりたい。
« 『超時空要塞マクロス THE FIRST (5)』(美樹本晴彦作) マクロス進宙式前夜。三角関係でないマクロスが展開されるのか? | トップページ | 『HEARTBREAKIN'』(土岐麻子)3年ぶりのオリジナルアルバムは80年代ポップスを彷彿させる出来上がり。 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画『アデル、ブルーは熱い色』一途な愛はその対象を失った時、「未練」に変わっていく。(2014.04.30)
- 映画『LIFE!』「世界を見よう」。それを実践したとき、かけがいのないものを得る。(2014.04.24)
- 映画『アナと雪の女王』オリジナル版を観たら、日本語吹き替え版も観たくなる。(2014.04.23)
- 映画『麦子さんと』悲しみや喪失感を取り戻すことでひとは強くなる。(2014.01.06)
- 映画『ゼロ・グラビティ』「ゼロ・グラビティ」(無重力)というタイトルだが、本当は「重力」との戦いである。(2014.01.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント