『夢をかなえるゾウ 文庫版』(水野敬也著)成功への第一歩は、まずはトイレ掃除から。
ダメダメな主人公の前に突然現れた夢をかなえるという神様。“ガネーシャ”と名乗るその神様はゾウの姿をしてなぜか関西弁で話す、いかにもうさん臭い。しかも、その教えは「トイレを掃除する」「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。
しかし、断言するけど、下手な自己啓発本、こうやったら成功する、「○○せよ」だとか「××するな」だとかを売りにしている本を100冊読むよりは、この本を1冊読んで、実践した方が成功に近づけると思う。もっともあなたが成功を目指しているのであれば、だけれど。
“ガネーシャ”の金言をいくつか引用させていただくと、
「成功しないための一番重要な要素はな、『人の言うことを聞かない』や。そんなもん、当たり前やろ。成功するような自分に変わりたいと思とって、でも今までずっと変われへんかったちゅうことは、それはつまり、『自分の考え方にしがみついとる』ちゅうことやんか」
「今まで無理やったら、これからも無理や。変えるならそれは『今』や。『今』何か一歩踏み出さんと。自分それ、やらんまま死んでいくで。」
「誰に言われるでもなく、勝手に想像してワクワクしてまうようなんが夢やねん。考え始めたら楽しゅうて止まらんようになるんが夢やねん。」
夢をかなえたいと思ったなら、“ガネーシャ”の言うことを聞いて、まずはトイレ掃除から始めよう。いつ始めるか、「今」でしょう。
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