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2013年6月 7日 (金)

【安吾を読む】『堕落論』「人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。」

坂口安吾、といえば、まず思い浮かぶのがこの『堕落論』、そして「生きよ、堕ちよ」という言葉なのではないだろうか。世の中が不安になると『堕落論』が読まれるという説もあるので、『堕落論』が読まれる時代というのは時流の変わり目なのかもしれない。

「終戦後、我々はあらゆる自由を許されたが、人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可解な限定とその不自由さに気づくであろう。人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又死なねばならず、そして人間は考えるからだ。政治上の改革は一日にして行われるが、人間の変化はそうは行かない。遠くギリシャに発見され確立の一歩を踏みだした人性が、今日、どれほどの変化を示しているであろうか。」

ギリシャの時代から、人性はそれほど変化していない。ひとは変わっていく、けれども急激には変わらない。その人性を捻じ曲げ、抑圧するのが戦争であった。戦争が終わって人間が人の性を取り戻して人間に戻ってきた。ただそれだけ。

「人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。」

しかし、人間は「堕ちぬくためには弱すぎる」。私は堕ちる道を堕ちきる勇気をいまだに持てずにいる。そういう想いを抱きながら生きている。


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