【安吾を読む】『桜の森の満開の下』坂口安吾を読んでみたいな、と思ったひとには、私はまず、この作品をお薦めします。
Kindle端末を買った目的の1つが、「坂口安吾の作品を持ち歩ける、いつでも読める」ということだった。紙書籍だと読みたい本そのものを携帯しなければその本を読むことはできないが、電子書籍であれば、電子書籍端末1つを携帯していれば、いつでもどこでも好きな本を、作品を読むことができる。しかも、坂口安吾の作品は、0円(無料)なのだ。
この【安吾を読む】では、Kindle端末で読んだ坂口安吾の作品について感想などを書いていこうと思う。そして、その初回は、Kindleストアで一番売れている安吾の作品『桜の森の満開の下』です。
『白痴』『夜長姫と耳男』などと並び、押しも押されぬ安吾の代表作の1つ。この作品と『夜長姫と耳男』などと下敷きにした野田秀樹の演劇作品として『贋作・桜の森の満開の下』として上演されたこともあります。かくいう私も、坂口安吾との出会いは、この野田作品からでした。
「桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。」という一文で始まるこの作品は、桜の花の下の世界を冷たい風の吹く、異次元の世界に誘います。
この作品が好きなひとは、たぶん、坂口安吾の作品にハマると思います。坂口安吾を読んでみたいな、と思ったひとには、私はまず、この作品をお薦めします。
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