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2013年4月26日 (金)

『バイバイ、ブラックバード』(伊坂幸太郎著)和彦=星野源、繭美=マツコ・デラックスを頭の中でキャスティングして読んでしまった。

知らぬ間にある組織の逆鱗に触れてしまった星野一彦の最後の願いは、〈あのバス〉でどこかに連れていかれる前に、付き合っていた五人の恋人たちに別れを告げることだった。彼は監視役である繭美とともに、恋人たちに別れを告げに行くのだが、、

主人公は5股をかけて女性と付き合っていた男性。目の前に現れた女性にちょっと気になる言葉を投げかけて女性に好かれて、そのまま付き合い始めた結果、5股になってしまうという、なんとも不思議な男である。好かれるということは彼の魅力であろう。そんな彼が、自分が何も別れを告げずに急にいなくなってしまうと付き合っている女性たちが悲しむだろうという理由で、〈あのバス〉でどこかに連れていかれる前に、彼女たちに別れを告げに行く。そして、持前の世話焼きぶりを発揮して、彼女たちのこれからを見届けようとする

しかし、それには同行者がいる。彼の監視役であり、巨漢のハーフで常識というものが全く通用しない、要らない単語を次々と塗りつぶした辞書を持ち歩き、目の前にある気に入らないものすべてに暴力を行使する女、繭美。

つい、和彦=星野源、繭美=マツコ・デラックスを頭の中でキャスティングして読んでしまった。太宰治の『グッド・バイ』は、過去の女性遍歴を清算するために、絶世の美女を連れて愛人たちに別れを告げに行くが、その美女の飾らない姿をより凶暴にしたのが繭美なのかもしれない。

そして、〈あのバス〉とは、何だったのか? 読者は〈あのバス〉とは「死」の比喩であり、繭美を『死神の精度』のような死神を想定しながら読み進めると思われる。しかし、それは最後の最後で、繭美自身の言葉、そして行動によりひっくり返される。

ちょっとスッキリしないが、最後に読者の感性に委ねられるラストもまた、読書の愉しみなのだろう。



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