パルコ劇場40周年記念公演PARCO presents『趣味の部屋』ガンダム好きなひとなら3倍楽しめること間違いなし!
パルコ劇場40周年記念公演PARCO presents『趣味の部屋』
2013年3月22日(金)~4月14日(日)
PARCO劇場
演出:行定 勲
出演:中井貴一、戸次重幸、原幹恵、川平慈英、白井晃
テレビドラマ『リーガルハイ』等で知られる気鋭の脚本家・古沢良太の脚本を、映画界から演劇界に進出している行定勲さんの演出。中井貴一主演で、戸次重幸、原 幹恵、川平慈英、白井晃といった個性的な面々が繰り広げる1幕1場の演劇。面白くないわけがない。
舞台は、男たちが借りている「趣味の部屋」。ある者は珍しい食材で料理の腕を振るい、ある者は古書の世界に浸り、ある者はガンダムのコスプレやプラモデル作りに没頭し、もうひとりはなかなか自分に合う趣味が見つけられずジグゾーパズルを作り続けていた。
そんな中、仲間のひとりが失踪したと、婦人警察官が「趣味の部屋」に聴取に訪れる。あるひとつの疑惑が新たな疑惑を呼び、やがてそれはさらなる疑惑に連鎖していく。そして、「趣味の部屋」が修羅場になっていくのだが、、、
展開がコロコロと変わっていく中で、緊迫感もあり、笑いもある。その場の主宰でありながら不気味な二面性をにじませる中井貴一、パニックっているようで実は狂言回しでもある戸次重幸、ク~な川平慈英(饒舌なセールスマンという役、凄く良かった!)、男たちを振りまわし振りまわされる原幹恵(これからはセイラさんと呼びたい)、ガンヲラぶりが私の心を揺さぶった白井晃。ブライトさんの振り向きざまの「殴って何が悪いか」をやるなんて、、、爆笑させてもらいました。
虚と実が織り混ざり、伏線が伏線を生み、虚と実の境界線が曖昧になっていく。子どもの頃に男の子なら誰もが作った秘密基地。それを彼らは大人になっても作りだした。しかし、楽しい時間はいつかは終わる。大人な彼らはそれがわかっているはずなのに、楽しい時間がいつまでも続くと思っているようでもある。ジグゾーパズルだって、最後の1ピースを埋める時が来る。それがわかっているから、最後の1ピースがどこかになくなってしまわないかと思ってしまう。男の子はいつまで経ってもそういうものなのかもしれない。しかし、時にそれは狂気に変わることもある。
ジグゾーパズルの最後のワンピースをなくしてしまった、いや、最後のワンピースをなくしたふりをし続ける男たち。そういう男たちが持つものが「趣味」と呼ばれるものかもしれない。だとすると、そもそも、「趣味」なんてもっている男を信じてはいけないのかもしれない。
↓このお芝居はこれから、福岡、大阪、名古屋、長野(須坂)、札幌を回ります。ガンダム好きなひとなら3倍楽しめること間違いなし、です!
中井貴一×古沢良太×行定勲 舞台「趣味の部屋」公開稽古ダイジェスト
« 『出雲と大和――古代国家の原像をたずねて』(村井康彦著)出雲が大和に進出して邪馬台国を作る。邪馬台国は大和朝廷とは断続している。 | トップページ | 『超訳 論語』(安冨歩著)安冨さんの「超訳」は、「学習回路」を常に開いて生きなさい、という「論語」である。 »
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 青山円劇カウンシルファイナル『赤鬼』(2014/06/04-15)いつか、黒木華の夜長姫を観てみたい。(2014.06.23)
- NO-STyLe-GArden~ノスタルジア~第5回公演『昼下がりにみた夢は…』おせっかいすることの大切さ、おせっかいされることのありがたさ(2014.05.22)
- Bunakamura25周年記念『殺風景』最初から最後まで嘘臭い匂いのする家族の物語。(2014.05.07)
- 『酒と涙とジキルとハイド』「ハイド氏に変身する新薬は、あります!」(2014.04.19)
- 『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』光溢れる国のドン・キホーテ。(2014.03.17)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント