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2013年3月 4日 (月)

『神去なあなあ日常』(三浦しをん著) 普段あまりスポットライトの当らない場所にも若者がいて、そして生活している。

主人公の勇気は横浜の高校を卒業するものの就職先がなく、問答無用で放り込まれたのは三重県の山奥、神去村だった。そこで勇気は、林業に従事することになる。そこは林業の村で、彼らの口癖は「なあなあ」。「なあなあ」とは「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」といった意味で、自然を相手にした林業を営むひとたちは都会のひとのようにあくせくしていない。
来た当初、勇気は脱走を試みるが失敗。やがて好きな女性も現れ、仕事にも面白みを感じるようになり、「なあなあ」とこの村に留まる。問答無用で放り込まれた場所だけれども、そこで頑張ってみることで、周囲のひとに受け入れられ、認められ、そしてコミュニティの一員になっていく。三浦しをんはそんな若者の生活を活き活きと描いてみせる。

実際の林業は、ここで描かれているものよりももっと過酷な仕事なのだろう。三浦しをんが描く世界。駅伝といい文楽といい林業といい、ふだんあまりスポットライトの当らない場所にも若者がいて、そして生活している。


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