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2013年3月29日 (金)

『三国志 第八巻』(宮城谷昌光著) 主役が去り、脇役が主役を支える時代に突入する。

第8巻は、これまで主役級だった人物たちが次々と世を去っていく。劉備の元を離れ孤立していた関羽は孫権に攻められ、討死する。そして、魏王・曹操が崩じる。曹操の子・曹丕は皇帝から禅譲を受け、皇帝に。後漢王朝は滅び、魏に抗すべく、劉備は皇帝を名乗る。皇帝になった劉備だが、関羽を孫権に殺された私怨を晴らすために、呉を攻めるが惨敗し、病に倒れ、そして病死する。

宮城谷三国志の大きな特徴は、劉備をそれほど大した人物ではなかった、と見做していることだろう。劉備は皇帝を名乗り、関羽の復讐を果たそうとしたことに大義がなかったことを、冷徹に筆を進める。
また、宮城谷三国志が私たちがこれまで抱いていた曹操に対する悪のイメージを払しょくしたことも見逃せない。しかし、曹操の後を継いだ曹丕には王としての力量は曹操には遠く及ばず、それゆえに魏が衰退していく兆しが見える。曹操ですら、後継の育成には失敗したのだ。

そして、これまで劉備のもとでほとんど活躍することのなかった諸葛亮が、劉備の死によってやっと表舞台に登場する。これまで王が支えてきた王国が、臣下が王を支え王国を支える時代へと変わっていく。ある意味、これから本当の三国志が始めると言えるのかもしれない。



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