『荒天の武学』(内田樹,光岡英稔著) 相手がナイフや拳銃を抜いてきた時点で、その武学ってものは破綻しているのでは?
光岡英稔さんは、内田樹さんより20歳以上も年下だが、内田樹さんから先生と仰がれている。日本韓氏意拳学会会長で、多くの武道・武術を学び11年間ハワイで武術指導されているそうだ。「不意の事態に際して最適な答えを常に求められるのが本来の武術の在り方であり、その精神は3・11以降の危機の時代、荒天の世にこそ真価を発揮する」というのが持論だそうです。
私は、そもそも「武学」というものがわからない。「荒天の武学」とは、相手がナイフや拳銃を抜いてきたことをも想定して的確に動くことを言うようである。しかし、例え相手がナイフや拳銃を持っていたとしても、それを抜かせない(使わせない)ということが、最も適切な動きではないのか。そういう危険を回避するように予め動くことの重要性を内田樹さんは繰り返し述べられていたように思うのだが、どうなのだろう。相手がナイフや拳銃を抜いてきた時点で、その武学ってものは破綻しているようにしか思えないのだが。
どうやら、私には「武学」だとかいうものを理解するのは無理なようだ。
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