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2013年2月14日 (木)

『9条どうでしょう』(内田樹,平川克美,町山智浩,小田嶋隆著) 今のままでなんとか上手くいっている憲法をわざわざ改訂する必要はどこにもない。

9条といえば、誰もが日本国憲法第9条だとわかるだろう。その条文は下記の通り。

第二章 戦争の放棄
第九条  「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」


改憲論議が盛り上がっていた(?)2006年当時、この9条について言及することはまさに虎の尾を踏んでも恐れない勇気が試されたであろうが、虎の尾を踏んでも気丈でいられる4人の猛者(内田樹,平川克美,町山智浩,小田嶋隆)がこの問題と正面から向き合っている。

これまでの議論は、第9条と自衛隊という矛盾を解消するために、第9条を残し自衛隊を否定するか、自衛隊を肯定し軍隊とするために第9条を改正するか、の二元論だった。そして、「お前はAに賛成なのか、反対なのか」という問題の立て方がろくでもない結果を招くことは、日本の政治を省みて私たちは散々懲りているはずなのに、この問題に関してはその二元論が根強く残っている。

第9条と自衛隊という矛盾を解消するためにどちらかを捨てるのではなく、その矛盾と上手に付き合っていく、ということが、日本という国を戦争を巻き起こさず、また戦争に巻き込まれない作法なのかもしれない。現行憲法のもと、70年近く戦争を巻き起こさず、また戦争に巻き込まれなかったのは、まさに、第9条と自衛隊というセットを日本が維持してきたから、という要因が大きいのではないだろうか。

今のままでなんとか上手くいっている憲法を何故、わざわざ改訂しなければならないのか、私は未だ納得のいく説明を受けたことがない。押し付けだろうがなんだろうが、上手くいってるシステムを上手くいくかどうか見通しのつかないものに変える必要がどこにあるのだろうか。
軍隊を持って普通の国に、と言っている人たちは、自分が兵隊にとられて、問答無用で殺す殺されるの世界に放り込まれる、という想像力を欠如していると言わざるを得ない。自分たちは老人だから徴兵されないとタカをくくっているから、安易に改憲なんて言っているのではないだろうか。そういう態度は、無責任にしか思えない。


そして、今、自民党やら、日本維新の会とかが、憲法改訂にやっきになっている。手始めに憲法96条を変えて、為政者の都合の良いように憲法を変えまくろう、という腹積もりらしい。
自民党の憲法改正草案を御存知の方はどれくらいいるだろう。実は私も良くわかっていない。しかし、私が気がかりなのは、その草案の中に「基本的人権」という文字が1度も出てこないことだ。

日本国憲法第十一条
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」

憲法改正といえば第九条ばかりが話題になるが、自民党は「基本的人権」にあたるようなそれ以外の部分にも手をつけようとしているのは明白だ。しかし、それをマスメディアか議題に乗せることはない。為政者の勝手な都合で憲法を変えることが果たして良いことなのだろうか、私たちはもっと議論すべきだ。



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