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2013年2月13日 (水)

『リア家の人々』(橋本治著)王はいつのまにか居場所を失い、昭和という物語は、村上龍の『69』に続いて行く。

「昭和」とともにあった家族の物語。これが何故「リア王」なのか、私にはわかりませんが。

帝大出の文部官僚である礪波文三は、妻との間に3人の娘をもうけた。敗戦後、文三は公職追放の憂き目に逢う。やがて復職するが、妻をがんで亡くす。やがて姉たちは次々に嫁ぎ、無口な老父と二人暮らしとなった年の離れた末娘の静は、高度成長の喧噪や父親の存在をよそに自分の幸せを探し始める。

姉2人が父親の家や遺産を目当てに争うあたりは「リア王」なのかなあ、と思うのだけれど、この「リア王」には王として君臨していたことがない。そして、「リア王」では唯一父を思っていた娘は、父から離れていく。

この家族は、「昭和」という時代に翻弄された家族ではない。「昭和」というものは彼らとともにあったけれども、彼らの横を通り過ぎていくだけである。この本を読むと、戦後史のおさらいになる。しかし、ただ、それだけである。

この昭和という物語は、村上龍の『69』に続いて行く。王はいつのまにか居場所を失い、それを笑い飛ばす若者が、1969年、米軍基地の町・佐世保に現れる。


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