『ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常』(三上延著) 栞子さんの謎解きの見事さは、本好きの心をくすぐる。
フジテレビの月9ドラマになった「ビブリア古書堂の事件手帖」。だから読み始めたのではなく、この第2巻が読みたかったから第1巻を買って読みました。何故、第2巻が読みたかったのかというと、謎解きの題材として坂口三千代の『クラクラ日記 (ちくま文庫)』が取り上げられていることを書店でのパラ見で知ったからです。残念ながら、この謎は次巻に持ち越しになったようなので、第3巻も買って読もうと思っています。
それを差し引いても、この「ビブリア古書堂」シリーズは、本好きの心をくすぐります。スタンリー・キューブリックの映画『時計仕掛けのオレンジ』しか知らず、原作を読んだはないであろう読者にも、そのからくりをしっている読者にも、栞子さんの謎解きは見事に思えるでしょう。
そして、福田定一や足塚不二雄という耳慣れない作家の本。その話がその話の中で完結しているのではなく、1つの物語として繋がっていくのも、この「ビブリア古書堂」シリーズの魅力かもしれません。
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