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2013年1月 5日 (土)

『SOSの猿』(伊坂幸太郎著)ひとの内側ではバロンダンスが果てしなく繰り広げられている。

株の誤発注により三百億円の損害を出した事件の原因を調べる男と、かっての憧れのお姉さんからの依頼によりひきこもりの息子を悪魔秡いで治そうとする男。その2人の物語が1つの物語に収れんする。その2つの物語を結び付けるのは西遊記の「孫悟空」。

「本当に悪いのは誰?」ものごとが起きたとき、常にその原因や犯人探しが行われる。原因や犯人が特定できれば、「自分には関係ない」と安心できるからだ。しかし、ものごとは複雑にからみあっていて、なぜなぜを繰り返してもその原因の一端はつかめるかもしれないが、根本原因がつかめるとは限らない。因果応報というけれど、そんなに単純に「果」から「因」を遡れることはできないのだ。

「孫悟空」は「閉じ込められた暴力」として語られる。目の前に困った人がいるのにその人のために何もできないもどかしさ。もしかして「暴力」をふるうことによって問題を解決することができるかもしれないが、一方で暴力はいけない、という理性が働く。ひとはその狭間でいったりきたりしているものかもしれない。バリ島の伝統芸能、バロン・ダンスのように、ひとの内側では善の象徴、聖獣「バロン」と悪の象徴である魔女「ランダ」が果てしなく戦っているものなのかもしれない。


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