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2013年1月19日 (土)

『ウェブで政治を動かす!』(津田大介著) ウェブは「こんなことを考えている国民がこれだけいるのだぞ」という意思表明の場になりつつある。

ツダる、などの言葉に代表されるように、著者の津田大介さんは、ソーシャルメディアの申し子ともいえるジャーナリスト。その津田さんが政治に興味を持つようになったのは「レコード輸入制限制度」についての取材経験が大きかったそうだ。その過程で津田さんは気づく。

「政治や政策に無関心でいては、自分の好きなものがいつか誰かの勝手な都合で変容させられてしまう。」

マスメディアは肝心な政治の中身や政策ではなく政局ばかりを伝える。しかし、その影で名ばかりの審議会で法案が審議され可決されたり、しかもそこには特定の団体の営利・利権によって方向付けがされていたりする。「レコード輸入制限制度」にしても、音楽業界の都合ばかりが優先され、その業界人よりもかなり大多数であるはずの音楽のリスナーの意見は全く反映されなかったりする。

私がこの本を読んで、一番納得したのは、デモの効力についての部分だ。

「人間が集まるだけで、そこに掲げられているテーマとは別のメッセージが発せられることになる。『今は体制に従っているけど、いつどうなるか分からないからな。お前ら調子にのるなよ』というメッセージである。」

デモというと、私は信念に基づいて参加しなければならない、と堅苦しく考えていたのだが、もっと気軽な気持ちでも良いのか、と思った。「こんなことを考えている国民がこれだけいるのだぞ」ということを目に見える形で示す、という意味でデモという手段は有効なのだ。マスメディアが伝えなくても、ウェブにはそれに代わるメディアはいくらでもある。

ウェブも同じような効力がある。ソーシャルメディアでの書き込みは、「こんなことを考えている国民がこれだけいるのだぞ」という意思表明であり、政治家たちもそれを無視することができなくなっている。
ウェブの上にはトンデモ意見も多くあるのも事実だ。例えば先の総選挙で見られたのは、「投票所には行列ができるほどみんな投票に行っているのに、この投票率の低さはおかしい。情報操作などの不正が行われているに違いない」という書き込みがかなりあった。ネットでの意見は極端に走りがちだ。そういうことも割り引いて、ウェブからの意見を読み取る能力がこれからの政治家に求められてくるだろう。

自民党はネット選挙の導入に前向きなようだ。政治についてネットでもっと議論する場が広がれば良いと願っている。



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