『街場の文体論』(内田樹著) これこそが本当の内田センセーの最終講義。
「この本がたぶん文学と言語について、まとまったものを書く最後の機会になると思います。そういう気持ちもあって、『言いたいこと』を全部詰め込みました」という内田センセーの大学での最終講義は、「クリエイティブ・ライティング」。自分の書いたもの、自分の言葉をどうしたら伝えることができるのか、を大学生にまさに「伝えたい・わかってほしい」という思いを込めて語る。
自分が伝えたいことを伝えることは、相手への敬意を込め、「情理を尽くして」語ること。そして、そういう言葉は、相手の心に届き、そして心の中に残る。心の中に残った言葉はまた誰かに伝えられ、誰かの心に届き、そして誰かの心の中に残る。
人間が残すことができるのは、自らの生物としてのDNAだけではない。そういう言葉もまた、遺伝子のように残り、伝えられていく。
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