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2013年1月11日 (金)

『平成史』(小熊英二,貴戸理恵,菅原琢,中澤秀雄,仁平典宏,濱野智史著) 「平成」は「昭和」というシステムの修繕に終始してきた。しかしもはや限界である。

この本は、「平成」という日本のかなり近い過去の歴史を、政治、地方・中央関係、社会保障、教育、情報化、国際環境とナショナリズムといった切り口で、比較的に若い学者・論客たちがまとめたものである。

年号が「平成」に変わって四半世紀になろうとしている。「昭和」は、第二次世界大戦当時の主要国最後の国家元首である昭和天皇の崩御とともに幕を閉じた。平成元年である1989年には東西冷戦の象徴でもあったベルリンの壁も崩壊し、昭和天皇の崩御とともに、新しい時代の幕開けになる年でもあった。

しかし、新しい時代に日本と日本人は新しい1歩を踏み出すことが踏み出すことができたのだろうか。この本を編纂し、総論を論じた小熊英二はこのように述べている。

「『平成史』を一言で表現するなら、以下のようになろう。『平成』とは、一九七五年前後に確立した日本型工業社会が機能不全になるなかで、状況認識と価値観の転換を拒み、問題の『先延ばし』のために補助金と努力を費やしてきた時代であった。」

戦後の焼け野原からの復興、そして人類史上他に類を観ない高度経済成長は、「できすぎた成功例」だった。そして、その「成功体験」に日本の政治も日本人も縛られてしまった。かって上手くいっていたのだからそれを維持すれば良い、上手くいかなくなったのであればかって上手くいっていたように戻せば良い。しかし、日本の人口が減り、これまでの成功を支えてきた様々なシステムが破綻している中で、もはやそのシステムの修繕では対応できなくなっている。しかし、それを意識的もしくは無意識のうちに認めることができず、そのシステムの修繕にお金をつぎ込み続け、財政は破たん寸前になっている。

もはや、「昭和」という成功したシステムは機能不全になってしまった。そうであれば、システムをリニューアルするしかない。それはとてつもない労力を要する。でも、やらなければならない。

これからどのようなシステムを描いていくのか、それは政治家に任せっぱなしにしてよいものではない。私たち日本人ひとりひとりが考えるべきことだ。それがシステムを変えていく原動力になる。



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