『ぶたぶた図書館』(矢崎存美著)ぶたぶたさんの物語はいつ読んでも癒される。中身はオッサンだけど。
本好きにとっては、年末の風物詩とも言える「ぶたぶた」シリーズの新刊。今回の舞台は図書館。もともとぶたぶたさんは本好きという設定なのでぴったり。
本好きの中学生・雪音と市立図書館の司書・寿美子は、「ぬいぐるみおとまり会」のポスター作りに取り組んでいた。「ぬいぐるみおとまり会」とは、海外では有名らしいが、子供たちのぬいぐるみを預かり、夜の図書館での彼らの様子を撮影して贈るという企画。絵本を読んだり、本の整理をして働くぬいぐるみたち。そんな彼女たちの前に、まさに「ぬいぐるみおとまり会」のポスターにぴったりな、ぶたぶたさんが現れる。
そこに、弟を亡くした元カメラマンや、娘とのコミュニケーションに悩む寿美子の姉などが関わって、「ぬいぐるみおとまり会」を巡る連作のような作り。ぶたぶたさんの物語はいつ読んでも癒されるなあ。中身はオッサンだけど。
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