『ヘッテルとフエーテル』(マネー・ヘッタ・チャン著)オイシイ話は100%あなたからお金を巻き上げるために語られる。
金融業界の騙しの手口、国家のウソを寓話に置き換え白日の下に晒した衝撃作! 株価の上下を100%当てる予言メールに騙された「ヘッテルとフエーテル」、ぼったくり金融商品で利益を伸ばす「ピノキオ銀行」ほか、心のスキを巧みに突くお金の怖いお話。
甘い話、オイシイ話は、あの手この手で私たちの耳元で囁かれる。しかし、そういう話には必ずウラがある。そういう話はほぼ100%あなたからお金を巻き上げるために語られる。そもそも「あなたを儲けさせますよ」という話が本当に儲けられるんだったら、そういう話は自分がするはずで、自分がしないで人に薦めること自体がオカシイ。お金の世界には、「あなたを儲けさせますよ」というボランティア精神をもったひとはいないと思った方が良い。ボッタクリ精神をもったひとはうじゃうじゃいるが。
自己啓発本は「○○しろ」とか「××するな」とか命令するが、そうすれば、著者が儲かるしくみになっていると思った方が良い。手帳を使え、と命令するひとは自分で手帳をプロデュースしているかもしれないし、資格を取れ、と命令するひとは資格取得を支援する会社とグルになって儲けているかもしれない。そういうウラがあるんじゃないか、という疑いをもってそういう本を読むべきだろう。そもそも、「○○しろ」とか「××するな」とか、命令するんじゃねえ、くらいの勢いがほしい。もっとも、そういう気概をもったひとは自己啓発本なんて読まないと思うが。
「カネヘルンの笛吹き」という寓話の中で、明らかに経済評論家のKツマさんと思われるひとが出てくる。「断る力を持って、自分の人生を進めば、起きていることはすべて正しい」なんて、大きい文字で書いてあるし。かってKツマーとか言われたひとたちが今どうなっているのか、知りたい気もするし、怖くて知りたくない気もする。
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著者のヘッタ・チャンです!
拙書を読んでくださり、ありがとうございました。
ミセスインディなひとたちが今どうなっているのか、私も知りたい気もするし、怖くて知りたくない気もします(笑)
というかどこいったんですかね?^^
投稿: マネー・ヘッタ・チャン | 2012年12月14日 (金) 18時00分