『「わからない」という方法』(橋本治著) 「わからない」からやらないではなく、「わからない」からやる。それが正解なき21世紀の生きる道。
セータの編み方の本を出し、桃尻語で枕草子を訳し、源氏物語を窯変させてきた橋本治。何故、そんなわけのわからないことを何度も何度もし続けるのか。「だってわからないから。」ふつうは「わからないから、やらない。」でも、橋本治は「わからないから、やる。」20世紀は、「わからない」ことが「恥」だった。「どこかに正解がある」はずだと信じられていたのが20世紀だったが、その20世紀は終わってしまった。21世紀は、「もしかしたら正解はどこにもないかもしれない」時代で、「わからない」ということがスタートになった。そういうことを2001年の橋本治はくどくどくどくど言っている。
もはや、「わからない」ことは恥ではない。「わからない」からこそ、21世紀は楽しいかもしれない。
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