『堀アンナの事件簿』(鯨統一郎著) 彼女は死神なのかそれとも世界一のラッキーガールなのか。
堀アンナは、カープ探偵事務所でアルバイトする18歳の少女。
アンナは愛猫のダニエルが死んだショックで聴覚を失ってしまった(彼女は読唇術を身につけているので日常会話には困らないという設定)が、それにより、石や木といったモノの声が聞こえるという特殊な能力を身につける。そして、彼女が座る安楽椅子の推理によって、彼女がABCDEFGにまつわる殺人事件を解決していく。
彼女の身の回りの者たちが殺されていくうちに、彼女は大金を手に入れ、探偵事務所の所長の椅子を手に入れ、さらに事件を解決するごとに大金が入ってくる。彼女は死神なのかそれとも世界一のラッキーガールなのか。
「Aは安楽椅子のA」「Bは爆弾のB」といった英語と日本語の頭文字が同じ言葉にまつわる事件がABCDEFGまで続く。このこじつけぶりが、鯨統一郎だね。(Fが不感症のFというのもなんだかなあ。)
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