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2012年10月11日 (木)

『満身創痍創意工夫 頑張りすぎない人工透析との闘い方』(中村龍史著) 人工透析?!だから何なんだ?

「東京パフォーマンスドール」や「マッスルミュージカル」などを手掛けてきた演出家・中村龍史さんの本。中村龍史さんは現在、劇団・中村JAPANドラマティックカンパニーを立ち上げ、大人のためのエンターテインメント集団・CHANCEを手掛けている。

物語は、ニューヨークで、突然、中村龍史さんが高血圧のため目が見えなくなり倒れてしまう場面から始まる。そして、そのときに中村龍史さんが人工透析を受けていることが初めて公になる。中村龍史さんが人工透析を受けていることは、それまで奥様や近親者しか知らない事実だったようだ。親しい友人や仕事仲間、劇団員ですらそのことを隠し続けてきた。それは中村龍史さんの「心意気」だったのだと思う。

三途の川の手前でクイックターンして戻ってきた中村龍史さんは、それまで以上にミュージカルやエンターテインメントの世界で、その創造性を発揮し続ける。中国で演出し、朗読劇を手掛け、バンド(こまいぬ)を立ち上げ、そして「マッスルミュージカル」を立ち上げ、海外で公演し、そして決別。劇団(中村JAPANドラマティックカンパニー)の立ち上げ、市民ミュージカルを手掛け、そして、大人のためのエンターテインメント集団・CHANCEまで。中村龍史さんの歩みがこの1冊にぎっしりと詰まっている。

中村龍史さんは、身体障害者手帳を持っているが、それは人工透析を受けるために必要な手続きでしかない。中村龍史さんは、自分は人工透析を受けているが、こんなに頑張っている、とは絶対に言わない。中村龍史さんは、人工透析を受けることは日常生活を制約されて不自由で不便と感じているかもしれないが、だから何なんだとしか思っていないに違いない。「SO WHAT?」だから何なんだ?中村龍史さんの仕事を一度でも観たことがあるひとなら、この本からそんな声が聴こえてくるのではないか。中村龍史さんの演出する舞台は、人工透析だとか身体障害だとか、そんなことは関係ない、そんなことを超越している。

私が中村龍史さんの演出に出会ったてからまだ1年半しか経っていないのだが、自分で驚くくらいに魅了されている。中村龍史さんの演出する舞台は、演者がこの舞台に立つまでにどれだけ汗を流したのか、どれだけ本気で取り組んできたのか、どれだけ地を這うような地道なアイディア出しや稽古を積んできたのかが、そして、何よりも観客に楽しんでもらおうという気持ちが伝わってくる。中村龍史さんの演出する舞台は、制作者からも演者からも「ものを創る人間は『品』がなくてはいけない。」という心意気が伝わってくる。だから、凄い!楽しい!面白い! とにかく、一度、中村龍史さんの演出する舞台を観てほしい。


中村JAPANドラマティックカンパニーの次回公演は、『キーマン~けんばん君物語~』。2012/11/1(木)~11/4(日)、キンケロシアターにて。詳しくは → こちら 

CHANCEは毎週木曜日~日曜日、赤坂にある専用スタジオでライブやってます。詳しくは → こちら 


第2刷が出るなら直してほしいところ2点。
・『キーマン』でミ(TERUさん)が歌う歌は、『ミ』ではなく『み』。これは、こまいぬLIVEで中村龍史さん自ら『ミ』ではなく『み』と言っていたので間違いありません。
・中村JAPANドラマティックカンパニーの誕生日は3月21日ではなく3月20日。これは偶然にも私と同じ誕生日なので覚えてます。←こういう偶然を運命と呼びます。

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