『無理 下』(奥田英朗著) 彼らの運命が、ブレーキの効かない車のようにクラッシュに向かって突き進んでいく。
この物語の舞台は、市町村合併で生まれた地方都市・ゆめの。そこで暮らす5人の男女の物語。
市民からの苦情に忙殺される地方公務員は、真面目に働くことをあきらめ、主婦売春にはまり、生活保護の申請を断った市民に逆恨みされ、命まで狙われる。
東京にあこがれる女子高生は突然、サイコパスに拉致監禁されてしまう。、
暴走族あがりのイカサマなセールスマンは後輩の抗争や先輩の殺人に巻き込まれる。
新興宗教にすがる万引きGメンの中年女性は宗教間の争うに巻き込まれる。
親の地盤を継いで県議会に打って出ようとしている市議会議員は有力な支持者の事件に巻き込まれる。
彼らの運命が、凍結した路面を滑る車のように、猛スピードでクラッシュに向かって突き進んでいく。
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