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2012年7月27日 (金)

『日本を追い込む5つの罠』(カレル・ヴァン・ウォルフレン著)  政治家たちが易々と罠にはまるのを許しているのは「権力への無関心」。

著者は、オランダ人のジャーナリスト。欧州から日本はどう見えているのだろうか、興味を持って読んだ。著者が言うには、震災後の日本は5つの「見えない罠」に取り囲まれている。それは、「TPP」、「財政緊縮」、「原子力ムラ」、「沖縄の米軍基地」、そして「権力への無関心」。

TPPと略語で言われているが、そういう略語は、ものごとの本質を誤魔化すのによく使われる。TPP=Trans-Pacific Partnershipは、日本語で、「環太平洋戦略的経済連携協定」とちゃんと表記した方が良い。TPPという略語の中には、「戦略的」と「経済」という言葉がすっぽりと抜け落ちている。そして、それはアメリカの巨大企業が仕掛けてきた戦略にのっとっていることを私たちはもっと警戒すべきだ。アメリカが日本に「開国」を要求している分野は、アメリカの巨大企業がその分野に参入を目論んでいる分野である。また、この協定を結んでしまった場合、他国の企業がその政府に対し、自国の政府を通り越して、直接要求をつきつけることができるようになる。黒船に乗ってきたペルーはアメリカの代表だったが、TPPという船に乗ってくるものはアメリカの代表ではなく、海賊である。
環太平洋戦略的経済連携協定を推進するひとたちがよく口にすることは、「日本の開国」であり、「船に乗り遅れるな」である。今、この協定を推進しないと、日本はつまはじきにされて、立ち直れなくなる、という脅しが何度となく繰り返される。しかし、何故、今、「開国」しなければならないのか、それが日本の国益にどうつながっているのか、そういう脅しを口にするひとから、納得できる説明を聞いたことがない。
「開国」というと、薔薇色の未来が開けているような印象をもつかもしれないが、歴史を振り返って、黒船がやってきて、「開国」した日本はどうなったか。「不平等条約」を結ばされた日本は、その条約の改正に長い年月と労力を費やされてきた。その挙句に日本は戦争という道を選んだ。「アメリカの言うことを聞かなければ」という強迫観念にかられているだけのノダ総理が「開国」という罠に自ら嵌りに突き進んでいるようなものだ。自分が穴に落ちるだけなら良いのだが、日本と日本の国民を巻き添えにするのはやめていただきたい。

そういう意味で、日本にとっての一番の罠は、「権力への無関心」だろう。「TPP」、「財政緊縮」、「原子力ムラ」、「沖縄の米軍基地」も、問題の根っこは、これは政治家の資質の問題ではなく、私たちひとりひとりの問題だからだ。政治家がどんなに無能でも、日本が易々と罠にはまらないために、私たちはもっと「権力への関心」をもつべきだろう。


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