『G-SELECTION 機動戦士ガンダムMSイグルー DVD-BOX』 「兵器」というものをクローズアップしたガンダム作品。戦争は弱者に対し非情である。
機動戦士ガンダムの1年戦争の裏側を描いたCGアニメ作品。全9話収録のDVDボックスでお安くなった。(と言うか、そもそもの価格設定がお高いのですが。)
■「機動戦士ガンダム MSイグルー -1年戦争秘録-」
第1話「大蛇はルウムに消えた」
第2話「遠吠えは落日に染まった」
第3話(最終話)「軌道上に幻影は疾る」
■「機動戦士ガンダム MSイグルー -黙示録0079-」
第1話「ジャブロー上空に海原を見た」
第2話「光芒の峠を越えろ」
第3話(最終話)「雷鳴に魂は還る」
■「機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線」
第1話「あの死神を撃て!」
第2話「陸の王者、前へ!」
第3話(最終話)「オデッサ、鉄の嵐!」
「1年戦争秘録」と「黙示録0079」はジオン軍の兵器開発にまつわる逸話。「1年戦争秘録」は、開戦当初、機動性のあるモビルスーツが兵器の主流となる中、陽の目を浴びることになかった巨大ビーム砲や戦車、ザクとの開発競争に敗れたモビルスーツが登場する。「黙示録0079」の舞台はジオン軍が劣勢となった戦争後期。ジャブローから打ち上げられる戦艦を撃ち落とすための兵器や、モビルスーツに逆行するありあわせの兵器、そしてそれを支援する兵器の逸話である。
主役であるガンダムは一瞬しか画面には登場せず、これらの物語からわかることは、戦争というものは、ガンダムに関係なく動いていたということである。国力のないジオン軍はありとあらゆる可能性を模索しつつも、しかしできることは限られており、その上、劣勢に立たされるとじりじりと追い込まれ窮してしまう。戦争は弱者に対し非情である。
「重力戦線」は連邦軍側からみたモビルスーツの脅威である。ジオン軍の地球降下作戦により、地上にモビルスーツ・ザクが投入され、連邦軍は一気に劣勢に追い込まれる。圧倒的な戦力であるザクに対し、連邦軍は最初、対戦車用の兵器や戦車で立ち向かわざるをえず、それは連戦連敗、まさに絶望的な戦いであったに違いない。やがて連邦軍もモビルスーツの量産に成功し、形勢を立て直すのだが、最後はその過程において兵器としての進化を止められたガンタンクの逸話で終わる。
「重力戦線」の主役は、「死神」とそれに魅入られた兵士たちである。重力は兵士たちの心を蝕んでいく。
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