『情報の呼吸法』(津田大介著) 呼吸と同じで情報は「吸う」、そして「吐く」ことが、自分のカラダを健全に保つ秘訣だとも言える。
「tsudaる」という流行語を生みだした、津田大介さんの本。津田さんはtwitterなどを使いこなすメディア・ジャーナリストとしてテレビにもよく出演されている。
この本は、津田さん自身の経験を踏まえながら、「発信しなければ、得るものはない。」というのが主題。情報は、「インドメーション」から「エクスフォーメーション」の時代に。情報は、テレビや新聞などから、極私的な個人や集団がメディアとなり、得るものから、発信するものに変わりつつある。そして、「呼吸」と同じように、吸う(インフォメーション)だけでは息が詰まってしまうし、吐く(エクスフォーメーション)だけでも息が切れてしまう。呼吸と同じで、情報は「吸う」、そして、「吐く」ことが、自分のカラダを健全に保つ秘訣だとも言える。
そして、毒ばかり吐いているひとの周りには毒々しい空気しか生まれないので、結局は自分も毒を吸うことになる。ネットにはそのことに気付いていないひとが多いのかもしれないが、その逆もしかり。自分の「吐く」情報には気を付けたいものだ。
現在、twitterで20万人以上のフォロワーを持つ津田さんは、情報ハブとして、情報を集め、そして発信している。twitterで20万人以上のフォロワーを持つ、ということは、フォロワーにより津田さんのつぶやきが拡散されるので、ちょっとした巨大メディアになる。それが東日本大震災のときにも大きな力になったという。影響力のある情報は、良きも悪きも行動を起こさせる。それだけに、影響力が大きければ大きくなるほど、それを肝に銘じなければならないのだろう。
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