『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』(町山智浩著) アメリカに憧れ、アメリカに追従してきたことは、なんともバカバカしいことだったかと思わずにはいられない
メディアが伝えないアメリカ。著者の『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』を読んで、アメリカにはトンデモないひとびとがいっぱいいることを知り、ビックリした。
本書のタイトルにある「キャプテン・アメリカ」。チビで虚弱なアメリカ人が自ら改造人間になりアメリカの正義のために戦う。W・ブッシュは父親ができなかったイラクを攻略し、フセインを倒した。そのために何万というアメリカ兵が死に、テロリストというカテゴリー分けされた罪のないイラク人がそれ以上に死んだ。アメリカ人ももはやアメリカの正義というものを信じていない。信じていても、それに殉じることはしないだろう。アメリカン・ドリーム、アメリカン・ウェイ、それはグローバル化という津波となって世界を巻き込んだ。そして、誰もがそれに押し流され、疲れ果てた。
この本に登場するアメリカ人、特にセレブだとか、お金持ちだと呼ばれている人たちの奇行を読んでいると、アメリカに憧れ、アメリカに追従してきたのは、それはなんともバカバカしいことだったのだなあ、と思わずにはいられない。
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