なんだかんだ言っても、東京タワーを観ると何故だか元気が出ます。
『没後150年 歌川国芳展』を観たついでに、森美術館の『メタボリズムの未来都市展: 戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン』も観てきました。
まさに、SF映画がSFアニメに登場してきそうな未来都市の姿がそこにあったのですが、今の日本、東京がそうなっていないことに私はむしろ安堵してしまいました。そこで描かれている未来都市は、定規とコンパスを使って描かれたような都市像で、人工的で無機的で、こういう都市に住むときっと息が詰まると思うんです。住むひとにストレスをかける都市像に私は希望が持てません。
そう言えば、この六本木ヒルズを建てた森ビルの社長さんが、テレビ番組で、「日本から路地裏を無くしたい」というような発言をされていたのを思い出しました。私なんぞは、地に足がついていてこそ人間だ、と思いますけどね。ゴミゴミとした風景に懐かしさを感じるのはひととして自然なことだとも思います。
外国人の方から、「どうしてこんなに地震の多い国なのに、どうして日本人は高いビルを建てたがるのか」というような疑問をよく聞きますが、私はただ日本は狭くて人口が多いから、東京に人工が密集しているから、という理由だけではないと思います。六本木ヒルズのようなビルは、地上から天に向けた「柱」なのです。日本人は天から下ってきたという神話をその内に持っていて、古に分かれた天ともう一度結ばれたいと思っているからなのですよ。高層ビルが日本の復興の象徴であり、高く高く、上へ上へとビルを作り続けるのは、天に向かっていくことが、自分たちのあるべき場所、未来だと心のどこかで思っているからではないかと思います。
「上を向いて歩こう」。高く高く、上へ上へ。いくら頑張っても天に届くはずはないのだけれど、それでも上を向いて歩いていこうとするのは日本人の凄さだと思うし、もしかしたら悲しさかもしれません。
そんなことを考えながら、プラス300円払って六本木ヒルズの屋上に昇って、東京という都市を見渡してみました。
↓じゃーん。東京タワー。なんだかんだ言っても、東京タワーを観ると何故か元気が出ます。
↓ちょっと小さいですが、左端に東京スカイツリー、右端に東京タワー。奇跡?のコラボ。
↓皇居方面。前にも書きましたが、東京のど真ん中が緑というのは良いと思います。
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