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2011年12月15日 (木)

『オリンピックの身代金(下)』 (奥田英朗著) 東京の繁栄は地方の犠牲の上に成り立っている。その構造は東京オリンピックの頃も今も変わらない

この物語を読み進めていると、私は引き裂かれそうな気持になった。

この国の繁栄。それは東京が祝福を独り占めする形で進められてきた。そして、その集大成が東京オリンピックだった。東京オリンピックは私が生まれる前のイベントだが、それでも、東京オリンピックに日本人が心踊らされたことは想像に難くない。そして私も日本人である。この物語の刑事たちがオリンピックを妨害から守ろうとしたように、オリンピックを成功させたいと願わずにはいられない。

一方で、犯人の若者の憤りもよくわかる。東京と東北は一字違いだが、えらい違いだ。東京の繁栄のために東北は犠牲になってきた。その構造は東京オリンピックから45年以上経った今日においても変わらない。東京の電力を賄うために、福島に原子力発電所が建設され、稼働し、そして事故によって今も七万人もの人々が故郷に帰れずにいる。彼らが彼らの故郷を取り戻すにはさらに時間がかかるだろう。

東京オリンピックはこの国に自信をもらたした。私も日本人として、私の先輩たちを誇らしく思う。それと同時に、東京が祝福を独り占めする繁栄を良しとする空気を作りだしてしまった。そして、東京都知事は今も東京オリンピックの誘致にやっきになっている。その前に、東京は祝福を独り占めしてきたツケをまず払うべきではないだろうか。

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